そのじつ

雪之丞変化のそのじつのレビュー・感想・評価

雪之丞変化(1959年製作の映画)
3.8
大川橋蔵といえば銭形平次、色気のあるオジサン…というイメージだったが、本作の橋蔵、若い。匂い立つような艶のオノコよのぉ…

橋蔵が二役演じているうちの立役の闇太郎ではなく、女形の雪之丞の方に姐御もお姫もメロメロになってしまうってのが面白い。
今で言うなら、美麗な韓流スターにゾッコンの女子たちみたいなもんかな。

たしかに女形出身の橋蔵が演じる雪之丞役のシーンがイイ!
口跡も流し目も身のこなしも素晴らしい。流れるような上方弁と、淀みなくまくし立てる江戸弁!セリフ聞いてるだけでも飽きない。

立役(闇太郎)と女形(雪之丞)両方の殺陣を演じ分けるのも凄い。
雪之丞の立ち回り、日本舞踊の形のよう。上体のポジションがね。

淡島千景のいなせな姐さんも最高でした。
黒川弥太郎の声もステキ。坂東彦三郎さんみたい…

クライマックス、敵役が中村座に押し入るシーンが見もの!
入り口から客席に雪崩れ込み、舞台をよじ登って奥まで突っ切り、楽屋に押し入るシーンをワンカットで見せていく。
うわー面白いなあ!こんな風になってたんかいな中村座。(演出上の変更あるかもだけど)

市川崑版もいっしょに借りてみたが、大川橋蔵がキレイすぎて、長谷川一夫の年増の雪之丞は見る気になれんかってん…すんません^_^
でも調べたら、初代映画版雪之丞は長谷川一夫だったのね。見てみたい。
そのじつ

そのじつ