そのじつ

地獄の警備員のそのじつのネタバレレビュー・内容・結末

地獄の警備員(1992年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

給湯室のビニールカーテンを見て「ああ黒沢映画だ」と感じる快感・・。
彼岸と此岸の境界を可視化したような情景を描き続けてるんだな。
漫画好きのわたしは諸星大二郎をいつも連想してしまう。
恐怖というより奇妙。
目をそむけたくなるのでなく、気になって凝っと見てしまう。黒沢映画はそんなホラーだ。
けど本作はしっかりホラーに寄せてあって殺しのシーンはだいぶ嫌だ。
ロッカーしんどかった。

セクハラ上司の大杉漣が怪演&熱演。ヒョウ柄ハンチングに巻きつけたトレンチ姿の「出す前の露出狂」オーラ凄かった。ゴミ袋の中で突然笑い出す所も印象深い。

怪人・加藤保憲(嶋田久作演じる)ばりのオドロ演出だった松重豊。しかし若さも相まってか、あまり怖さは感じなかった。今の松重さんならもっと怖いだろう。
たしかに背は高いけど身体はスリムなので「元相撲取り」というワードが出るたびに違和感が。怪力を強調したいのかとも思ったが、殺しや骨を折るシーンは一般人レベルな演出だったので、なんの為の設定なのか首をひねった。

で、この話は結局なんだったのかというと、突然舞い降りたイイ女をまわりの男たちがこぞって欲しがるが、女の磁力が殺人鬼まで呼び寄せちゃったもんだからさあ大変!
しかし結局は金を握っている妻子持ちの男がイイ女をゲットするのであった・・という話ですか?
中年の長谷川初範、内野聖陽みたいな色気がムンムンですね。

いまやってる「おげんさんのサブスク堂」で豊豊さんが「黒沢さんが見てくれてる」という話をしていて、ふたりの繋がりを思い出し見た。
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