このレビューはネタバレを含みます
ジョイかわいいよ〜!こんな商品あったら爆売れしてしまう…!
淡々と映像で静かに語り続けるかんじは小説を読む「間」のようなものがあってわりと好き。
音楽や効果音も控えめで、映像が語りかける「声」を聞き取り続けていく体感。
うるさく振り回されず、マイペースに消化させて貰える。
そうやって咀嚼と消化を繰り返した末に辿り着いた結末(絵的にはけっこうベタでしたが)には感極まってしまった。
前作のラストから導き出した続編という設定。
自分の好みを覚えこむ人工知能(ジョイ)って、自分の内面との対話に他ならなくて、Kは生身の相手が前にいても内向きにこもりがちなひとだ。
しかしKはデッカードを見つめ始め、ジョイが消える。
命を奪う仕事を捨て、彼が選んだのは生まれた命を慈しむこと。
本当の記憶をわけた兄妹(姉か?)と父への。
それはもう憧れっていうより同化。
自分の中に芽生えた「本物」を彼は最後まで守ったんだなと思えた。
上司のジョシ(ややこしいな)の顔が好みだった…
命懸けで愛した部下を庇ったええ女やったしな。
あと冒頭の芋虫農家のシーンが好き。
私的妄想だけどソローキンの「テルリア」冒頭シーンと重なった。内容は全然違う。乾いた土っぽさ、にんにく鍋、荒々しい暴力のせいか。色彩と光量のバランスが詩的。
枯れ切った木のシルエットなど造形美もさすが。