そのじつ

哀れなるものたちのそのじつのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
愉快・痛快!ジェンダーの壁をひらりと飛び越え、コンプライアンスの箍をすり抜け冒険と快進撃を続けるベラに夢中になった2時間21分。すごく短く感じた。

ピノキオのように好奇心全開。
ガリバー旅行記のようにおかしな世界を見て回る旅程。
冒険を経て帰って来た彼女を待ち受けていたのは。

ある種のひとには悪夢にも映るであろう彼女の変貌。
たったひとつの正解などなく、各人が己の信じるとおりに生きて、そして訪れるお伽話のめでたしめでたし。

これはファンタジーである、と節々で強調されるがベラの透徹した魂に惹かれる。
長らく被虐の対象とされてきた女性の性をその檻から解き放つベラは「吉四六さん」や「西遊記」の孫悟空の序列にあらたに加わるトリックスターだ。
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