飛行機の墜落事故から奇跡的に生還した主人公のマックス。事故後の彼は死を恐れないようになり、以前とは別人のようになっていた。その一方で事故で娘を亡くし失意のドン底にいた母親カーラは、マックスと出会った事で心を癒していくヒューマンドラマ。
見る前までは、もしかして「パッセンジャーズ」的な物語？と勘繰っていましたが、そうではなくてちょっと安心。飛行機事故を受けて登場人物各々の「死」についての考えの変化を描いた繊細な作品。
死を目の前に感じた人はどんな気持ちになるのか。実際は当の本人にしか分からない事ですが、本作でのマックスの姿を見ると、その一端が垣間見えたような気がしました。
そのマックスを演じたジェフ・ブリッジスの存在感と演技力が光る一作。彼の存在はかなり大きかった気がします。出番はわずかですが若手時代のベニチオ・デル・トロも出演していまして、やはり一発で彼と分かるオーラは当時から健在。
クライマックスでの事故当時の再現はかなりの恐ろしさと迫力。これを受けてから冒頭の事故後の現場の場面を見返すと、また違った印象が感じ取れます。
物語の構成やテーマも一際深さがある作品でした。知名度はあまり高くないですが、隠れた佳作と言える作品だと思います。
