男性的映画に定評のある丸山誠治監督の史実に基づくキスカ島撤退作戦を、冷静沈着且つ大胆不敵に敢行した水雷戦隊司令官三船敏郎を中心に描いた戦争映画の傑作。旗艦艦長田崎潤、参謀稲葉義男、中丸忠雄、潜水艦艦長佐藤允等救出する側だけで無く、キスカ守備隊司令官藤田進、先任参謀土屋嘉男、軍医長平田昭彦等の決死の一致団結が、制約された時間内脱出を可能とした。濃霧中の米側レーダー察知からの無差別爆撃を掻い潜り、島の浅瀬や岩壁にもたじろがず断行する三船の熱演と、円谷英二特技監督以下の技術陣の素晴らしさは賞賛に値する。
