太平洋奇跡の作戦 キスカの作品情報・感想・評価

「太平洋奇跡の作戦 キスカ」に投稿された感想・評価

帰ろう、帰ればまた来られるから

期待度★★★★☆

ミニチュアと侮るなかれ。この迫力満点の映像と緊迫感は中々味わえない
爆雷のシーンなんて言われなければ本物だと信じる
あと見張り台を爆撃されたシーンはワンカットだと思うけどどうやって撮ったんだろう

主人公の大村少将達(木村昌福)の言葉が深くて硬派の塊。脅されてウソの霧情報を伝えた部下にも怒らなかった
硬派過ぎて専門用語が平気で出てくる
女優が1人も出演していないところからも男臭い渋い映画

あだ名が司令官のヒゲおじさんは後からネタが分かった
日本版ダンケルクとも言われる本作。
話の大筋と実現した作戦、結果は
似ていますが、映画としては、
コンセプトは全然違う。

本作は、助ける側の作戦経緯や
様子がメインになっている。

キスカ島に残された5200メインの兵士は、
アメリカ軍に囲まれ、
残された道は当たって砕けるしかない状況。

本部の人も見捨てるしかないと提案するが、
1人の人間が救出作戦を実行したいと、
上層部に訴求します。

結果、作戦は認められ、
ケ号作戦と呼ばれる救出作戦を考えますが、
そこにアサインされたのは、
動かん隊と呼称される第五艦隊。

しかし、決して堕落した艦隊な訳ではなく、
そこのボスである三船敏郎は至って冷静。

のらりくらりとしながらも、
次々に判断をし、作戦は進みます。

いやぁー最高でした、この映画。
三船敏郎がやっぱりカッコいい。

ウルトラマンで有名な
円谷さんの特殊効果や、
テンポのいい展開、
そして役者達の鬼気迫る表現や、
キスカ島内の描写が素晴らしかったです。
第2次大戦(太平洋戦争)を描いた古い日本映画(1965)。アラスカの南の島弧、アリューシャン列島の中の島、キスカ島からの日本軍撤退を描いた物語。こんなことがあったとは全く知らなかった。
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World War II in the Pacific everydayという動画サイトで、日本軍の占領地域の変遷をチェックしてみる。1941年12月7日の真珠湾攻撃以来、日本は無謀な勢いで南方に戦線を拡大していき、インドシナ半島、インドネシア、ニューギニアの北半分、南太平洋の島々まで占領していく。一方北方は、日露戦争以来、樺太の南半分と千島列島の全て(カムチャッカ半島の手前まで)が既に日本領土で、それ以上の領土拡大は無かったのだが、1942年6月6日に突然アリューシャン列島の二つの島、アッツ島とその東隣のキスカ島が日本の占領地域になる(アメリカの領土を武力で奪った!!) 
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この頃、日本の占領地域は最大となり、この状態が1年ほど続く。連合軍(アメリカ)はこの間、挽回を期して態勢を立て直していた。そして1943年後半から連合軍の巻き返しが徐々に始まる。南方の島よりも、まず自国の領土を取り戻す方が重要だから、アッツ島とキスカ島への米軍の空襲は激しかった。5月30日にアッツ島が奪回され守備隊は玉砕、約2650名が戦死。残ったキスカ島も時間の問題と思われた。
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戦争末期の南方戦線の日本軍の惨状はよく知られたことだが、1943年当時はまだ艦船、潜水艦等の軍備も十分あり、海軍-陸軍間の連絡もよく取られていたので、末期の頃よりずっと「合理的」な作戦、すなわち北方は捨て、軍備を南方に集中させるという大本営の基本戦略のもと、キスカ島兵士(約5500名)を撤退させる作戦がたてられた。気象予報をもとに海霧の発生する日に、千島列島最北端の拠点、幌筵(ホロムシロ)島から相当数の艦船部隊をキスカ島に送り、アメリカ軍の包囲網をかいくぐって、島の守備兵全員を救出するのだ・・・
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戦争の悲惨さ理不尽さよりも、作戦が大成功したという痛快感に浸る作品でした。Wikiをみると、米軍の動きが詳しく書かれていますが、米軍が周りにいなくなった空白の一日、7月29日に、米軍の情報を何も知らずに本当に偶然に、撤退作戦が敢行されたようです。一日ズレていたら米軍に気づかれて攻撃を受け、作戦は失敗していたことでしょう。
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再びWorld War II in the Pacific everydayという動画サイトでみると、キスカ島が米軍に奪回されるのは8月15日になっている。これは、日本軍が撤退していたことも知らずに上陸した米軍が、同士撃ちをしたあげく、島には日本兵は一人もおらず犬しかいないと、やっと気がついた日だと思われます。
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ウルトラマンの円谷英二による特撮映像、あぁ懐かしいこの感じ!
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撤退作戦の現場司令官、大村少将に三船敏郎。決断を下す司令官の孤独と苦悩、いい味出してました。
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DVD特典映像の、撤退作戦を体験したキスカ島守備隊員だった方のインタビューも大変興味深い内容でした。今の自衛隊にはかつての日本軍の伝統が(良くも悪くも)受け継がれているのだなと感じました。
reif

reifの感想・評価

3.5
大日本帝国海軍のダンケルクだ! そもそも南方戦線以外に北方戦線があったことを知らない、自国に対して無知で興味がない態度を反省する。南でも北でも玉砕=全滅しまくるんですね、恐ろしいわ大日本帝国のメンタリティ。人の命が軽い。その軽さが、兵隊さんたちの明るさになっている。そう、必死の撤退作戦であるのに軍人たちはもう生き残ることを諦め、明るい。「戦争を知っている世代」が作った戦争映画は軽やかで明るいんですよね。そして一人の無名の天才司令官(三船敏郎)。部下の言うこと全然聞かない。無口に全責任を負い、重大な決定をする。こういう人がいる場所で奇跡が起きるんだな。隠密というか忍者というか、そういう作戦です。わたしたちが「惨めでどうしようもない敗戦」と思い込む中に生きていた生き残った人の話。音楽は團伊玖磨で、鉄腕アトムに聞こえて仕方がない。勇ましい
太平洋戦争末期、キスカ島に取り残された守備隊を圧倒的に不利な状況を覆し救出する話。

特撮というものの凄さというか味というものを強く感じる作品。
飛行機の実在感、戦艦が海に浮かんでいる感、岩の間を急流が流れそれを縫っていく戦艦の緊張感。
CGとは別個のレベルでの良さがあって、これはこれでCGとは別に技術が進歩すればいいな、と思った。結構感動的。

日本海軍のさわやかな感じが割とよくでているタイプの映画だと思う。
三船が部下たちの軽挙妄動をひたすら止めて腰の重い指揮官を演じているんだけど、この腹に一物ある感じの説得力は三船にしか出せない。すごく良かった。軍人俳優、いや指揮官俳優ともいうべき俳優だと思う。
作戦自体は運が5割くらいを占めている実話なのでカタルシスはそんなに強くないけれど、敵に見つからないということでのサスペンスの気持ちよさはずっとあって、それがこの映画をおもしろくしていたな、という印象。

藤田進とか無茶苦茶いい顔してたし、稲葉義男もあんまり有能じゃないいい人でも無いなぜか上のほうにいる軍人感、を見事に演じていると思う。
志村喬、西村晃の二人が出演しているのがこの映画を観るきっかけになったけど、この二人の出演シーンは非常にサブ的だった。それでもやっぱり西村晃はイヤな軍人の役で目立っていたからすごいけど。

何より特撮がすごかった映画でした。それだけでも観る価値があるように思う。
higa

higaの感想・評価

4.0
三船敏郎、山村聰らが出演したオールスターキャストで送る戦争巨編。

映像は圧巻であった。キャスト陣の演技合戦がかっこよく、戦闘シーンも見ものでかつドキュメンタリータッチでリアルであった。難を言えば、登場人物紹介としてテロップを表示してほしかったではある。せっかく、ナレーションで状況説明をしているのに、そこはマイナスポイントであった。

ところどころ後の『ダンケルク』を思わせる場面も多く、『ダンケルク』とセットで観るのをかなりおすすめする
夜鷹

夜鷹の感想・評価

3.8
エンターテイメント色の強い戦争映画。
戦闘シーンも円谷英二が特撮監督をやってるだけあって、おどろおどろしくない。
どちらかというとワクワクするね。
戦場の兵士達も和やかで安心して見てられるし、
戦争映画が苦手な人にオススメかな〜
ストーリーもシンプルでわかりやすいし。
chie

chieの感想・評価

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松岡圭祐さんの『八月十五日に吹く風』を読んでこの映画にたどりつきました。

終戦二年前に行われたキスカ島撤退作戦を描いています。
戦うことも血を流すこともなく、アメリカにも見つからずに5200名もの兵を撤退させ、奇跡の作戦と呼ばれています。
でも、それはただ偶然が重なっただけのものではなく、司令官である大村少将(史実は木村昌福)の的確な判断と救うという強い想いが成功させたものだとわかります。
特攻や玉砕などという言葉が思い浮かぶこの時代に、人命を何よりも大切にしていた人がいたことを知れてよかった。

手を振る兵隊さんに涙が…
目頭が熱くなるってやつです。
やっぱり生きてこそですよ!!

特撮は円谷英二監督!
さすがすぎます!本物みたいにかっこいい!

このレビューはネタバレを含みます

・ノーラン版の「ダンケルク」が記憶に新しいなか、日本でも終戦2年前に太平洋のキスカ島に取り残された日本守備軍役5,200人を撤退させる様子を描いた作品が1965年に作られていた
・アッツ島での撤退が失敗してのキスカ島の作戦なので、政府や島にいる兵士たちが玉砕覚悟の空気と対比した大村海軍司令官(三船敏郎)の静かながら熱い想いが際立っていた
・島を次々と爆破する特効が当時としてはかなりの迫力で作られてて、他でも海を並ぶ艦船のショットなど流石の円谷英二
・先に潜水艦で人を送って作戦を伝えたり、天候に応じて航路を変更したりと敵に見つからずに近づく戦略面で見ても面白かった
ぺん

ぺんの感想・評価

4.3
日本映画屈指の撤退戦を描いた作品。
激しい戦闘描写はなく、会話劇が多いものの、円谷の特撮が鬼気迫る出来で緊張感を盛り上げてくれます。

玉砕や無謀さで兵を無駄死にさせる印象の旧日本軍が、命を救うための作戦も行っていた。
なかなか知ることのない歴史。
登場人物は史実を元にした改変があるようだけれど、三船敏郎演じる大村少将の頼もしさが良い。

キスカ島にいた元将校の監修があったのも重要。
作戦成功万歳というわけでなく、撤退は多大な犠牲の上に成り立っていたことも描かれており、話の展開にも説得力がある。
特典映像のインタビューも聞きごたえがありました。
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