太平洋奇跡の作戦 キスカの作品情報・感想・評価

「太平洋奇跡の作戦 キスカ」に投稿された感想・評価

reif

reifの感想・評価

3.5
大日本帝国海軍のダンケルクだ! そもそも南方戦線以外に北方戦線があったことを知らない、自国に対して無知で興味がない態度を反省する。南でも北でも玉砕=全滅しまくるんですね、恐ろしいわ大日本帝国のメンタリティ。人の命が軽い。その軽さが、兵隊さんたちの明るさになっている。そう、必死の撤退作戦であるのに軍人たちはもう生き残ることを諦め、明るい。「戦争を知っている世代」が作った戦争映画は軽やかで明るいんですよね。そして一人の無名の天才司令官(三船敏郎)。部下の言うこと全然聞かない。無口に全責任を負い、重大な決定をする。こういう人がいる場所で奇跡が起きるんだな。隠密というか忍者というか、そういう作戦です。わたしたちが「惨めでどうしようもない敗戦」と思い込む中に生きていた生き残った人の話。音楽は團伊玖磨で、鉄腕アトムに聞こえて仕方がない。勇ましい
太平洋戦争末期、キスカ島に取り残された守備隊を圧倒的に不利な状況を覆し救出する話。

特撮というものの凄さというか味というものを強く感じる作品。
飛行機の実在感、戦艦が海に浮かんでいる感、岩の間を急流が流れそれを縫っていく戦艦の緊張感。
CGとは別個のレベルでの良さがあって、これはこれでCGとは別に技術が進歩すればいいな、と思った。結構感動的。

日本海軍のさわやかな感じが割とよくでているタイプの映画だと思う。
三船が部下たちの軽挙妄動をひたすら止めて腰の重い指揮官を演じているんだけど、この腹に一物ある感じの説得力は三船にしか出せない。すごく良かった。軍人俳優、いや指揮官俳優ともいうべき俳優だと思う。
作戦自体は運が5割くらいを占めている実話なのでカタルシスはそんなに強くないけれど、敵に見つからないということでのサスペンスの気持ちよさはずっとあって、それがこの映画をおもしろくしていたな、という印象。

藤田進とか無茶苦茶いい顔してたし、稲葉義男もあんまり有能じゃないいい人でも無いなぜか上のほうにいる軍人感、を見事に演じていると思う。
志村喬、西村晃の二人が出演しているのがこの映画を観るきっかけになったけど、この二人の出演シーンは非常にサブ的だった。それでもやっぱり西村晃はイヤな軍人の役で目立っていたからすごいけど。

何より特撮がすごかった映画でした。それだけでも観る価値があるように思う。
higa

higaの感想・評価

4.0
三船敏郎、山村聰らが出演したオールスターキャストで送る戦争巨編。

映像は圧巻であった。キャスト陣の演技合戦がかっこよく、戦闘シーンも見ものでかつドキュメンタリータッチでリアルであった。難を言えば、登場人物紹介としてテロップを表示してほしかったではある。せっかく、ナレーションで状況説明をしているのに、そこはマイナスポイントであった。

ところどころ後の『ダンケルク』を思わせる場面も多く、『ダンケルク』とセットで観るのをかなりおすすめする
エンターテイメント色の強い戦争映画。
戦闘シーンも円谷英二が特撮監督をやってるだけあって、おどろおどろしくない。
どちらかというとワクワクするね。
戦場の兵士達も和やかで安心して見てられるし、
戦争映画が苦手な人にオススメかな〜
ストーリーもシンプルでわかりやすいし。
chie

chieの感想・評価

-
松岡圭祐さんの『八月十五日に吹く風』を読んでこの映画にたどりつきました。

終戦二年前に行われたキスカ島撤退作戦を描いています。
戦うことも血を流すこともなく、アメリカにも見つからずに5200名もの兵を撤退させ、奇跡の作戦と呼ばれています。
でも、それはただ偶然が重なっただけのものではなく、司令官である大村少将(史実は木村昌福)の的確な判断と救うという強い想いが成功させたものだとわかります。
特攻や玉砕などという言葉が思い浮かぶこの時代に、人命を何よりも大切にしていた人がいたことを知れてよかった。

手を振る兵隊さんに涙が…
目頭が熱くなるってやつです。
やっぱり生きてこそですよ!!

特撮は円谷英二監督!
さすがすぎます!本物みたいにかっこいい!

このレビューはネタバレを含みます

・ノーラン版の「ダンケルク」が記憶に新しいなか、日本でも終戦2年前に太平洋のキスカ島に取り残された日本守備軍役5,200人を撤退させる様子を描いた作品が1965年に作られていた
・アッツ島での撤退が失敗してのキスカ島の作戦なので、政府や島にいる兵士たちが玉砕覚悟の空気と対比した大村海軍司令官(三船敏郎)の静かながら熱い想いが際立っていた
・島を次々と爆破する特効が当時としてはかなりの迫力で作られてて、他でも海を並ぶ艦船のショットなど流石の円谷英二
・先に潜水艦で人を送って作戦を伝えたり、天候に応じて航路を変更したりと敵に見つからずに近づく戦略面で見ても面白かった
ぺん

ぺんの感想・評価

4.3
日本映画屈指の撤退戦を描いた作品。
激しい戦闘描写はなく、会話劇が多いものの、円谷の特撮が鬼気迫る出来で緊張感を盛り上げてくれます。

玉砕や無謀さで兵を無駄死にさせる印象の旧日本軍が、命を救うための作戦も行っていた。
なかなか知ることのない歴史。
登場人物は史実を元にした改変があるようだけれど、三船敏郎演じる大村少将の頼もしさが良い。

キスカ島にいた元将校の監修があったのも重要。
作戦成功万歳というわけでなく、撤退は多大な犠牲の上に成り立っていたことも描かれており、話の展開にも説得力がある。
特典映像のインタビューも聞きごたえがありました。
erigio73

erigio73の感想・評価

4.2
三船敏郎が出て来た途端に声でわかったが、最初は桑畑三十郎か、菊千代が軍服着てるようにしか見えなかった。ところが映画が終わる時には海軍将校にしか見えなくなった。作戦が成功したとは言え、既に奪われていた命や作戦遂行にあたって失われた命を思う三船敏郎の痛切な表情がたまらない。映画自体はハラハラドキドキ、まるで「恐怖の報酬」。アッツ島がアリューシャン列島にある島だったことを恥ずかしながら初めて知った、いわんやキスカにおいてをや。昭和18年の作戦であれば、その後また徴用されたり海軍兵であれば戦死した人も多かったのでは。
TsutomuZ

TsutomuZの感想・評価

3.7
東京オリンピックを終えた平和国家日本での戦争映画はかくあるべきというプロパガンダ映画と揶揄したくなる藤田進と円谷英二の過去。
Catman

Catmanの感想・評価

5.0
素晴らしい!!!!
「ダンケルクも良いけど先ずはキスカでしょ」的なコメントを散見していたので、じゃあってんで観てみたら、もうめちゃめちゃ良かったです。こんな傑作を今まで見逃していただなんて、あぁ恐ろしい。
大村司令官と秋谷司令官が対面するシーンは本気で泣けます。演出・役者・映像・音楽・編集、 全てが良い。『特技監督 円谷英二』のクレジットに胸踊ります!



先ずキスカ島撤退作戦そのものが尊い史実なんだけど、過度に美化せず感傷的にもならず作戦の成否にテーマを絞ってテンポ良く100分強の尺に纏め上げた演出と編集のセンスが凄くイイ。緊張感の中にユーモアも忍ばせつつスペクタルな見せ場もある緩急巧みなストーリー運びも見事。
三船が演じる大村司令官は戦争映画にありがちな有能過ぎる上司ではあるものの、その演技とカリスマ性はもう流石と言う他ありません。オーラ半端無い。山村聰とのコンビネーションも貫禄&安定感充分。二人とも良い声してますな。声と言えば、矢島正明のクールな名調子によるナレーションも本作の萌えポイント。役者陣は他にも準主役級から端役まで、皆それぞれ印象に残る名演。登場人物が多いのに散漫になっていない。
團伊玖磨の音楽も決して扇情的になり過ぎず、主題曲のキスカマーチは本作全体のポジティブなムードを高めていてグッジョブ。
円谷英二による「特撮」は、特に海のシーンではモノクロ映像との相性が良くって、濃霧の中から浮かび上がる戦艦の姿は非常にドラマチック。島に最後まで残った二人が基地を後にするシーンは、カメラアングルから爆発するタイミングまで完璧で唸りました。当然ながらCG合成は一切無いわけです。撮影は全般的に素晴らしく、白と黒、陰影のコントラストを強調した美しいカットや、海岸に集まる大勢の兵士を捉えるロングショット等々、豊かな映像表現に感動しまくり。あぁ劇場で観てみたいなぁ!
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