太平洋奇跡の作戦 キスカの作品情報・感想・評価・動画配信

「太平洋奇跡の作戦 キスカ」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

https://umemomoliwu.com/the-retreat-from-kiska
碧菜

碧菜の感想・評価

4.0
思いのほか爽快で明るかった、手榴弾を使って自殺したがる負傷兵たちにもしもの時には殺してくれと頼まれて、よし、ブチ殺す!と言っていた場面が印象的だった、犬が置いていかれた
Seiji

Seijiの感想・評価

4.9
子供心に強烈なインパクトを与えられた作品です。邦画の戦争映画としては一二を争う名作です。
面食らった。面白い。

まず相変わらずの東宝オールキャスト。出ている面々全員好き。
豪胆で悲愴感を奥に押し留めた、そして「合理」と「プロフェッショナル」を重んじ、且つ、イレギュラーが発生した際のマイナス要素をポジティブ変換できる柔軟さを魅力的に体現する三船敏郎、以下。
そのユーモアに倍返しで返礼する山村聰。
などなど。脇役に至るまでとにかく良い顔、良い演技の錚々たるメンツ。

作劇も「反戦」を前面に押し出した「悲劇」ではなく、敗戦色濃厚な日本軍にあって、痛快さすらある「キスカ島撤退作戦」を「潜水艦映画」として、またある意味での「ケイパーもの」的な要素なども交えてしっかりエンターテインメントとしている。

一方。顔をもたげる「日本軍」の気質。やたらと「特攻」「玉砕」したがるし、エライさんになると「その意気を示せば良い!」だの「もはや戦力としての価値なし」などと負け惜しみの数々。
本作はその「死への突進」の身勝手な勇ましさではなく「生き延びるため」の戦いとして描いているところが驚き。

科学や情報を基にして、作戦を立案。
戦力確保の駆逐艦を入手する件の面白さ、感情論や精神論ではなく「ミッション攻略」の是非にのみ集中すること。
また傷病兵たちをも救出することに専心する描写など徹底的に、生き延びるために苦心する作劇が見事。
それによって日本軍は勇しくも、クールにも、そして痛快にも見え、且つ、折々に描かれる「死」に思い詰めた「大日本帝国」の誤った価値観がいかに根深いのかも炙り出す。

キャスト、スタッフがおそらくほぼ全員戦争体験者であり、当時の戦争の中で感じた「良き人間像」と「悪しき人間像」のバランスを比較的公平に描いている点が見事。
エンターテインメントとしても、そして先の「戦争」によって日本軍が何を間違い続けたのか?という批判と批評も試みているなかなかの傑作。
実際の事件、キスカ島に取り残された守備隊約5200人を救出したキスカの奇跡を東宝オールキャストで実写化した作品。

戦争のうち撤退作戦だけにフォーカスしたもの、つまりダンケルクと同じ角度の作品なのだ。

戦歴は無く、現場叩き上げの総司令官大村少将を三船敏郎が演じた。堅物でどんな時でも冷静沈着、上からの圧力を跳ね除け、戦果を上げるのでは無くあくまで人命救出を最大の目標に掲げ続けた立派な人物を完璧に演じて見せた。
他にも志村喬、佐藤允、山村聰と大スターが集結。

東宝黄金期、特撮にもロケにも大変な資金が使われており、特撮を担当したのは円谷英二。

ダンケルクしかり、確かに戦争を美化した作品という一面もあるにはある。しかし、戦争という悲惨な状況の上で個々の命の尊厳の重要さを説いた切実なメッセージには強い反戦の思いが込められていたと感じた。
Kuuta

Kuutaの感想・評価

3.9
先日アトロクで春日太一さんがお勧めしていた一本。三船や山村聡ら豪華俳優陣の硬派な軍隊描写に加え、戦艦が海を進む特撮のクオリティは東宝の総力を結集していると言っていいだろう。考証を重ねたシリアスな映画なので、怪獣に興味の無い人が日本の特撮文化に触れるという意味でも、良い映画なのではないだろうか。

円谷英二、有川貞昌の師弟コンビに、中野昭慶に坂野義光と、演者に負けないくらいの特撮の大御所が並んでいる。霧の中に微かに見える船や島の影が、将校たちの希望や不安感を緻密に描き出す。

霧と爆煙と氷の海に囲まれた「死の島」に閉じ込められた5200人の救出作戦。救出する側とされる側のカットバックを繰り返す。彼岸と此岸で何度も目線が交錯し、クライマックスで境界が崩れる。そのカタルシスを、霧の中を戦艦が突き進み、島へ接近するという特撮の力で見せている。

冒頭で、南方の島で何万もの日本兵が死んだ史実が提示される。彼らの命もキスカ島のように救われて欲しかったという願いが、この映画にはある(昨年のワンハリを思い出す)。

「見殺しにすれば後世への恥だ」「礼は5200名を無事に連れて帰った後だ」。春日さんが指摘していた通り、戦争で生き残った須崎勝弥がフィクションを通して描く、死んでいった仲間に対する想い。

人間パートはややアクションに乏しい印象もあるが、陰影を効かせた撮影は美しい。キスカ島司令部の死の暗闇に差し込む白い光。東京の軍部でのタバコの煙は、キスカ島の霧を手元に呼び込んでいるように見えた。78点。
軍部の特殊任務を引き受けた海軍少将(三船敏郎)が、キスカ島に取り残されている守備隊5千名の救出作戦を敢行する。1943年の「キスカ島撤退作戦」を題材にしている、特撮戦記映画。映画的なエンタメを優先させているため、史実通りではない。

キスカ島は、アメリカのアラスカ半島からロシアのカムチャツカ半島まで、約2千キロメートルに渡って伸びている、アリューシャン列島西部に位置。本編では、キスカに赴いて、救助するまでの作戦がスリリングに展開される。

円谷英二謹製の特撮が映えており、雄々しい音楽が随時流れているため、ギスギスした戦争映画というよりもワクワクさせられる特撮映画という印象が強い。人間ドラマとミニチュア特撮の溶け込み具合が素晴らしく、またキスカ島パートでは圧巻のエキストラ撮影を楽しむことができる。

人間ドラマでは、日本映画界に名を残す名優陣が総出演しているため、俳優諸氏の演技合戦に酔いしれることが可能。非エリート族の少将が、上官の無理難題をクリアしてしまう、「目上もビックリ系」のシナリオが愉快痛快。
kaikaita

kaikaitaの感想・評価

3.5
アトロクで春日太一さんがオススメしてたうちの一本。

太平洋戦争の映画は左右いずれかのイデオロギーがぷんぷんして純粋に楽しめないことが多いけど、これはあまりそういったものを感じず気楽に「よかったね〜」で楽しめる。今の日本でリメイクもしやすそう。

三船敏郎、忠臣蔵の大石内蔵助のような忍耐に忍耐を重ねる司令官ぶりがかっこいい。どんなセリフでも勝手に説得力感じちゃう。
どうしても第二次大戦で日本の戦争映画を作ると、悲壮感やメッセージが求められてしまうが、この作品は娯楽性が高く、単純に楽しめる。

三船敏郎と山村聡のやりとりや、若き西村晃やど役者の演技が見応えあり、円谷演出の特撮も見ていて飽きない。
Taul

Taulの感想・評価

5.0
『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(1965)DVDで初鑑賞。撤退作戦がこれ程面白いなんて。日本の戦争映画の悲壮感は抑えめで人命救出に懸ける男達の知恵と勇気をテンポ良く描く。心地良くクライマックスは感動だ。円谷特撮と團伊玖磨も見事な仕事ぶり。邦画では希有なトーンの傑作ではないだろうか。

2017年7月鑑賞
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