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CURE キュアのkyokoのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.0
なにこれ怖い……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

昔劇場で観た「マークスの山」の萩原聖人の演技がトラウマとなり、彼が常人じゃない作品は極力避けていたのだけれど、「散歩する侵略者」で改めて黒沢清おもしろい!となり、「三度目の殺人」の役所広司にやられたついでに、やはりこれも観ておこうと。

一級品のホラーだった。
オープニング音楽のコミカルな感じからしてたまらない。
不快な音とともに引きで長廻しする画が恐怖心を煽る。特に交番のシーンは秀逸。
外から撮ったクリーニング店ですら何か起こるんじゃないかと気が抜けなかった。

どこまでが現実で、どこからが幻想なのかが分からない部分もあったけれど、なぜかラストはすんなりと腑に落ちてしまった。自分の納得と、満足気な役所広司の顔が重なったとき、解放の疑似体験をしたような気分になってちょっとぞっとした。

少しだけ違和感だったのは、殺人を犯してしまった者たちのその後のリアクション。動揺だったり茫然だったり、そこにはいわゆる快楽殺人のような恍惚感はない。抑圧していたものが解放されたのなら、もう少し快感めいたものが見られてもいいのではと思ったが……この感覚は伝道者のみが得られるものなんだろうか。
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