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殺しのarchのレビュー・感想・評価

殺し(1962年製作の映画)
3.7
川のほとりに女性の遺体が落ちている。そんなショットから始まり、映画はその近くの公園での女性の目撃者達の証言、回想によって進んでいく。
確かにそれぞれの回想には矛盾する箇所があるが、正直そこに大きな意味はないというか、『羅生門』のような人間不信になるほどの何か強力なものは感じなかった。
だが、一方でその瞬間の公園にいた人々の1日は大したことは起こらないが、一々撮影が良いため面白く見れた。興味深いのは複数人を画面に収める時の構図、そしてカメライン/アウトの巧みさである。とにかくそこに気を配っていて、人が画面を出入りするだけで面白い。


パゾリーニ原案、ベルトリッチ初監督作品として見応えのある作品だった。
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