たき

妖怪大戦争のたきのレビュー・感想・評価

妖怪大戦争(2005年製作の映画)
3.0
成海璃子目当てで見たけどほぼカメオ出演レベルでした。

もっとおきらくごくらく勧善懲悪なドタバタバトルアクションモノかと高を括って観ていたら、なんのなんの、思いがけず骨太なジュブナイル、ドストライクなおはなしでした。

古来から、妖怪とジュブナイルの相性はよいのですよね。
大人になるということは、世界の有り様を自分の中で定義していくことと同義だと思われるのですが、それすなわち、自分の見たいものと、他人の見たいものとのすり合わせだと思うのですよね。

この科学信仰真っ只中の(あえてこういう表現をしておきます)世の中において、カッパだぬらりひょんだ帝都大戦だとかいうても誰も信じてはくれないわけで。
すなわち大人になるということは、誰かにとってはある意味嘘を重ねていくことだったりするのでありますね。

そういう意味では、ひとは復讐するモノではなく、赦し、救うモノだという主張も真っ白な嘘、と捉えることもできるわけで、なんだろう、でもわかる。わかってしまう。
ものごころつく頃から、仇討ち合戦というのが当たり前だったのですよね。復讐は、愛の深さを測るバロメータとさえ思ってたりもしました。三つ子の魂百までじゃないけど、今もなお復讐完遂というものにカタルシスさえ感じている自分がいないといえばやっぱり嘘になるのですよね確かに。

でもそれだとだめなのです。それだと嫌なのです。

今はどうがんばってもまだ嘘の域を出ないのかもだけれど、今まで見えていたはずのスネコスリたちが見えなくなったみたいに、嘘もつき続けることでほんとになるかも知れない。脳死することなく、あきらめないようにしたいと思います。

ファンタジー系の宿命。画はどうしてもチープになってしまうのはいたしかたない。
コメディとシリアスとのギャップもむしろ大好き。
ただいかんせん、コメ部分が寒すぎた。テンポが合わないだけなのかもしんないのですけども。もう少しなんとかならなかったのでしょうか。

川姫がくっっっそエロいんですけど。
ジュブナイルに性の目覚めは避けては通れない重要なファクターですよね、ええ。
ぜったいタダシくん、脚ふぇちになりましたよね。
たき

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