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アズールとアスマールのprocerのレビュー・感想・評価

アズールとアスマール(2006年製作の映画)
4.0
 ここのところ、とても良かったので人にお勧めしたいと思える作品によく出会います。うれしいことですよね。その筆頭がこの作品「アズールとアスマール」です。

 フランスのミシェル・オスロ監督が送り出した本作は、実は独特のアニメーションであり、知る人ぞ知るジブリが提供をしています。ジブリはかの宮崎駿監督や、高畑勲監督などが影響を受けた作品、もしくは海外で公開されていながら日本未公開の良作を選りすぐって公開することを最近しているのです。

 実はミシェル・オスロ監督作品を、ジブリが提供するのは本作で二本目となります。一本目は「キリクと魔女」ですが、これも実に素晴らしい作品でした。生まれたばかりの少年キリクが、村から恐れられている魔女カラバの元へと疑問をぶつけながら旅立つ・・・といった作品ですが、ストーリーもさることながら、芸術的な絵本のような美しさにも感動が得られる作品といえました。アニメだと思って馬鹿にする偏見は、きっとこういう作品を観たらかわるのではないかと思います。

 ところが今回の「アズールとアスマール」は、まるで一枚の絵画から切り出されたような更なる芸術性を持った作品であり、キリク~の素晴らしさを昇華させたクオリティを持っています。私は初めて、この作品をブルーレイで欲しい!と思わさせられました。ハイビジョンで放映されるのが待ち遠しいですが、その前にブルーレイで買ってしまうでしょう(笑)CGの良さを活かして描かれた背景と、彩色のセンスに脱帽です。

 しかし、この物語の良さはそれだけに留まりません。なんといってもその上に物語がまた素晴らしいこと!領主の息子であるアズール、その乳母の子アスマール。肌の色が違う二人が赤ん坊の頃から物語は始まり、乳母の歌う印象深い子守唄・・・それこそが二人の運命にかかわるジンの妖精の唄。これ以上は是非ご覧頂きたいです。子供が観ても楽しむことが出来るだけでなく、うちではお婆ちゃんが泣いてました(笑)こんな幅の広い作品はあまりないのではないでしょうか。日本語吹き替えの香川照之さん、この人芸達者ですねえ。ゲド戦記でも上手いといわれていましたが、今回もお笑い担当を嫌味なく一手に引き受けています。

ブルーレイで買った初作品。
美しくて、画質を損ねず欲しかった。
大団円のラスト。
人類これなら平和なのだけど。
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