ぎー

ミッドナイト・ランのぎーのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)
3.5
【ロバート・デ・ニーロ特集1作品目】
大好きな俳優の1人、ロバート・デ・ニーロ特集をスタート!
まずはこの映画。
調べるまで映画の名前も聞いたことなかったけど、彼の出演映画として非常に有名で、評価もめちゃくちゃ高い。
口コミもすごい良い感じだったので、期待値滅茶高かった。
結果、良い意味でロードムービーとバディムービーのテンプレートみたいなすごいよく出来た映画だった。
この映画好きな人が多いのも納得できるなー。
ロードムービーとしては全米を横断するけど移動手段がコロコロ変わるし、良い感じでトラブルが起こるからテンポが良い。
バディムービーとしては、最初は信頼関係0で全く相容れなかったバウンティハンターと逃亡犯が、無理ない展開で、長い時間を一緒に過ごしてコミュニケーションを取っていく中で関係性が変化し、素敵な関係に昇華する。
何より、起きるトラブルとか登場人物の行動がセンスがあって面白い。

監督はマーティン・ブレスト。
『セント・オブ・ウーマン』、『ジョー・ブラックをよろしく』っていう超超名作を2本も残した名監督だけど、この映画は名作系ではなくって、『ビバリーヒルズ・コップ』系のカジュアル系傑作だった。
どの映画もセンスの良い笑い要素入れてるのは流石だけど、色んなジャンルで傑作作ってて本当にすごいな。
な。

まずこの映画での主人公の仕事、バウンティハンターって仕事を知らなかった。
アメリカでは刑務所が十分では無いから、割と保釈しているらしくって、国によって犯罪者に対する扱いも大きく違うんだなと思った。

それにしてもこの映画の逃亡犯デュークは勇気のある人。
裏社会を支配してるギャングから横領して慈善団体に寄付するってのは、なかなかできることじゃない。
まあ確かにこの背景を踏まえると、保釈金を貸し付けてる側からすると、身柄の拘束を焦りたくなる気持ちもわかる。

この映画はクスリとするポイント色々忍ばせてくれてるんだけど、保釈金金融の電話番がギャングと通じてるのもその一個。
めーっちゃわかりやすく、情報流してたな。
他にも、ギャングの手下が主人公を味方につけようと説得に現れたけど、説得滅茶苦茶下手だったところもそう。
FBIのモーズリーって捜査官の身分証を盗んで、事あるごとにモーズリーをやたら名乗るのも面白かったな。

主人公はただの体育会系じゃなくって、妻の居場所を割り出して、盗聴して、プッシュ番号から逃亡犯の居場所を割り出すまで、かなり鮮やかだったな。
この映画は盗聴がいとも簡単に行われてる感じはするけどね。
FBIは完全に保釈金金融の電話盗聴してたもんな。

当時の個人情報の取り扱いの杜撰さも面白かったな。
クレジットカード会社勝手に履歴教えるし、勝手に利用停止しちゃうんだもんな。
履歴だけじゃなくって、利用停止とかがきちんと伏線になってるのはこの映画がよく出来た映画である所以だよな。

アクションとかも基本はコメディ。
FBIとギャングが撃ち合ってる間に、そそくさと逃げれちゃったりしてたもんな。

基本コメディだから細かいところ突っ込んじゃいけないと思うけど、あの主人公が立てた証拠隠滅容疑での逮捕は成り立ってるのかな?
まあ良いけど。

映画の終わり方は完璧だった。
金融との約束を守った上で、逃亡犯を解放する。
逃亡犯も主人公に善意から謝礼を払う。
あと味がすごく良い終わり方だったな。

ロバート・デ・ニーロの演技の凄さはこの映画では窺い知れなかったけど、流石の存在感だった。
ぎー

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