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Love Letterのamuのネタバレレビュー・内容・結末

Love Letter(1995年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

最近、「ラストレター」を観て、そしてそれがとても良かったので、今作にも着手。「Letter」とつくタイトルからもオマージュを感じる部分や、監督にとって原点ともいえる作品なのかなぁ、と思った。

1995年の作品。良い意味で古さを感じる作品ではあった。

学生時代と現在それぞれの役者さんに面影を見出すキャスティング力はこの頃から健在だったのだなと思った。男性の藤井樹さんの現在は出てこないけれどきっとこんな大人になっていたのであろうという余白を残してくれていたように思う。

また「ラストレター」同様、この作品の時点でテーマは手紙であるとともにキーは写真と手描きのイラストだった。回顧作品のような感じなのかな。

主演の中山美穂さん。学生時代役の女優さん。浅黒い肌と目の大きさ、どこかぼーとしたような何を考えているかわからない感じ、言葉を発すると気の強さが出る様子。とても似ていた。いわゆる透明感は無く、令和にはいないタイプだなと思った。

一人二役の演じ分けは正直あまり出来ていなくて、おとなしい博子、快活な樹という話し方の違いなだけで、黙って立ち尽くしていたらどちらがどちらかわからない。雰囲気までも演じ分けて欲しかったなという思いと、特徴的なショートヘアが寸分違わず同じというのはなんだかなという気もした。

回想シーンで樹の父が病院の廊下をベッドで運ばれるシーン。白目剥いてて、ああなんかこういう突然の不自然な表情とかシーンが小さくても積もり積もって私は岩井俊二監督の作品に怖さを感じているのだと発見出来た。なんか、見たくないものを見せられる感じ。

作品全体としては、名作なのか今の自分にはわからない。「ラストレター」は何度も観たくなったけど、今作についてはその感情は湧かなかった。それと一番の見せ場と思しき山に向かってお元気ですかと叫ぶシーン。それほどぐっとこなかった、、これ、中山美穂さんの役を広瀬すずさんでリメイクしたら凄く良くなりそう。役者でだいぶ印象が変わりそうな作品だと思った。
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