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落葉樹のotomのレビュー・感想・評価

落葉樹(1986年製作の映画)
4.5
久々の鑑賞。うーん、喪失。トトロにも出てきそうな失われた日本の風景、そしてマザコン映画としてはトップクラスの出来映え。鬼婆から狂気の演技等々の振り幅の広い乙羽信子だからこその底無しの愛情表現、動かざる事山の如しながらも、無念の化身みたいな財津一郎が醸し出す妙な存在感と両者共に圧倒的。そんな監督自身の原風景とも云えるものへの郷愁を毎度お馴染み蓼科の新藤邸別荘より伝える、くたびれた小林桂樹。土手シーンのバリエーションだけで物語る新藤兼人の凄さ。素晴らしい。
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