ピッツア橋本

スリ(掏摸)のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)
4.3
"スリに必要なのはチームプレイだった"

青年がスリに手を染め、スリを題材にした75分のフランス映画。
何だかオシャレなような情けないような柔らかなフィルムノワール。

実は静かなスポ根モノでもある。
主人公がちょいちょいスリに失敗してはプロにやり方を教わってトレーニングしたり、まるでパスサッカーの如く華麗な連携プレイであらゆる民間人からお財布やハダカのお金を抜き取る様はある意味アクション映画ともいえる。

モノクロ、最低限のセリフや独白で展開されるフランスだから一見オシャレな恋愛映画を思いがちだが、ロケーションは駅構内やボロ屋などが多く、けっこうな土着感。

肝心のスリシーンのテンポがとても良くて、スーツと手越しに財布や札束が伝っていく様は何だかピタゴラスイッチを見ているかのよう。

オチはまあ、特に教訓はないけど良い落とし所。

サクッと観て、感覚的な楽しみ方が出来る一本。
ピッツア橋本

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