HicK

THE 有頂天ホテルのHicKのレビュー・感想・評価

THE 有頂天ホテル(2005年製作の映画)
4.4
《集大成を迎えたカオスな三谷祭り》
〜このくだらなさ、大好き〜

【限界突破】
大晦日、年越しまでのリアル2時間でどれだけドタバタ・わちゃわちゃできるか挑戦してるかのような映画。三谷氏のカラーであるベテラン俳優陣による群像劇、超絶長回し、限られた空間、勘違いコント、伏線の数々、お仕事ムービー要素、アドリブに遊ばれる俳優たち、ヘアメイクにも遊ばれる彼ら…、などが揃うだけに留まらず、各要素のリミッターが外れた作品。巧妙さとバカバカしさのバランスが秀逸。

【ドラマ】
登場人物ほぼ全員がパッとしない人生を送っているという、これだけの人数の背景を統一させてるのも面白い。基本くだならないストーリーの連鎖だけど、ドタバタ感も相まって面白い。最後はそれぞれが、『手放した"もの/物"がもどり、無くした"活力"も取り戻す』っていう綺麗なまとめ上げも好き。

【ちょっとしたツボ】
・篠原涼子とYOUが一緒に出てる。
・「みんなの家」の夫婦。 
・アヒルが山寺宏一。

【総括】
三谷作品っぽさを突き詰めて爆発させたカオスな作品。早くも集大成。たぶん監督の特色が嫌いな人にとっては「だから合わない」になるし、好きな人にとっては「最高にくだらなくて好き」になると思う。監督作で1番好きかもしれない。

自分は大晦日が1年で1番好きな日なので、この作品のお祭り感にワクワクしてしまう。
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