HicK

KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XVのHicKのレビュー・感想・評価

KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV(2016年製作の映画)
3.4
《賞賛レベルの技術。だからもったいない》

【完全プレイヤー向け】
今作は「ファイナルファンタジーXV」のゲーム本編販売前に公開された作品であり、エピソード0にあたる内容なので、完全にプレイヤー向け。FFシリーズの雰囲気に慣れてない人にとっては、とてもとっつきにくい内容。

ゲーム本編の内容を数々の媒体やDLCの"別売り作品"で埋めていくという商法のひとつで賛否あるものの、プレイ後に鑑賞した自分にとってはご褒美映画だった。

【しかし、不親切過ぎる】
プレイヤー向けと言えども不親切な舞台説明。しかも、公開当時はゲーム本編発売前だったはずで、誰も知識がない状態。国名、地方名、首都名、領土名、など聞き慣れない固有名詞の嵐。指輪とは?クリスタルとは?地理的全体図も掴めず、重要な"息子"が姿を見せないのがとても不自然。情報不足のせいなのか、敵対する国がどちらも印象が悪い。

少なくとも、この映画を見て「ゲームやってみたい」とは思わないんじゃないかなぁ。

【それでも、やばいCG技術】
視覚面に関しては賞賛されるべき技術。日本主導の作品でも世界と力を合わせるとここまで出来るんだぁと感心。このフルCG映画の技術は(ゲーム連動作品じゃなかったら)邦画史に名が残るレベル。

【総括】
普通だったら賞賛されるべきこの映画の要素も、特定の人向けの異質な映画になった事で非常にもったいない事になっていると思う。

でも繰り返しになるが、FFXVを捕捉するおまけとしては豪華過ぎて良かった。
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