うにたべたい

実相寺昭雄監督作品 ウルトラマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.8
劇場版ウルトラマン二作目。
といっても、公開は本放送終了からかなり後で、マン、セブン、新マン、A、タロウが終わり、レオ放映中での公開です。
一作目同様、ウルトラマン本放送を数話まとめた再編集作で、タイトルの通り、実相寺昭雄監督回がまとめられています。

再編集された元の話は、ウルトラマンの15話、22話、23話、34話、35話。
再編集により多少切り取られていて、話のつなぎ部分にナレーションの追加がありますが、話自体に変更はないです。

実相寺昭雄氏の監督作は、"怪獣が現れ特捜隊が出動し、ピンチに陥ってウルトラマンが現れ、怪獣を倒して去っていく"ようなよくあるフォーマットになっておらず、子供にはわかりにくいひねったテーマや演出が行われているのが特徴です。
特にテレスドンの話は、私が幼少期に見たときは話がよくわからなかったです。
大人になった今見ても、話に突っ込みどころが多く、演出先行している話のように感じています。
クセが強いので、逆にそこに惹かれるファンも多いですね。
子供の落書きが実体化するガヴァドンや、宇宙置き去りにされて怪獣になってしまった元人間のジャミラなど、担当作の脚本はかなり好きなのですが。私的には演出過多かな、と感じることが度々あります。
そのため、個人的には、再編集された本作の方がテンポが良く見やすく感じました。

ただ、ガヴァドンでは子供にウルトラマンを「バカヤロー」呼ばわりさせ、スカイドンでは、あの有名な間違えてスプーンで変身しようとしてしまう場面があり、見どころは多かったように思います。
怪獣墓場に帰れず戦う気もなくいじけているシーボーズに容赦なくチョップをくらわせるシーボーズ回も楽しかった。

凶悪怪獣をスペシウム光線で倒すウルトラマンのイメージとは一線を画している実相寺監督作品をまとめたという妙にマニアな劇場版ですが、まとめて見る価値は十分にあると思います。