ぐるぐるシュルツ

男と女のぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

男と女(1966年製作の映画)
3.6
失ったものは欲しくなる
手放しては求めて、求めては手放す。
ぶつくさ言いながら、
しっとり想いながら。

〜〜〜

アヌーク・エーメ主演のクロード・ルルーシュ監督の出世作。
淡い光と甘いメロディが印象的。

一番ビビッドなシーンは
やっぱりパリの凱旋門を背景にアヌーク・エーメが小走りする姿です。

それにようやく抱かれながらも、少しして夫との回想を挟みながら、愛が失せてしまうベッドも
胸が少し軋みますね。

いずれの表情も、
はっきりしないんだけど、
愛らしい。
誰かのことをなんとなく、
でも確かに思い浮かべてる表情で。


あんなに楽しそうに全力で求めていたのに、
一方の愛がないとわかると、
すっと身を引く男。
一人になってから。それにやっぱり心引き戻されてしまう女。
なんだかんだ追いかけてしまう男。

このいたちごっこは、
今の時代、ジェンダーを越えても
普遍なような気がしました。
誰もが天邪鬼を抱えているんです。

寒色と暖色のセピア、時折訪れるカラーのシーン。
そして、淡く甘い音楽。あの有名な音楽を。

フランス映画と恋愛の相性は抜群ということを
改めて体感。