失ったものは欲しくなる
手放しては求めて、求めては手放す。
ぶつくさ言いながら、
しっとり想いながら。
〜〜〜
アヌーク・エーメ主演のクロード・ルルーシュ監督の出世作。
淡い光と甘いメロディが印象的。
一番ビビッドなシーンは
やっぱりパリの凱旋門を背景にアヌーク・エーメが小走りする姿です。
それにようやく抱かれながらも、少しして夫との回想を挟みながら、愛が失せてしまうベッドも
胸が少し軋みますね。
いずれの表情も、
はっきりしないんだけど、
愛らしい。
誰かのことをなんとなく、
でも確かに思い浮かべてる表情で。
あんなに楽しそうに全力で求めていたのに、
一方の愛がないとわかると、
すっと身を引く男。
一人になってから。それにやっぱり心引き戻されてしまう女。
なんだかんだ追いかけてしまう男。
このいたちごっこは、
今の時代、ジェンダーを越えても
普遍なような気がしました。
誰もが天邪鬼を抱えているんです。
寒色と暖色のセピア、時折訪れるカラーのシーン。
そして、淡く甘い音楽。あの有名な音楽を。
フランス映画と恋愛の相性は抜群ということを
改めて体感。