ぐるぐるシュルツ

ヘルムート・ニュートンと12人の女たちのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

3.7
意図がないからこそ意味がある。

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過激なヌードっていうほど過激に見えないのは時代の流れか。
差別的・挑発的な作品とは裏腹に、
何か観念や概念を神経症的に描こうという姿勢はニュートンにはあんまり感じられないのが面白い。
もう少しリラックスしていて、
カメラを向けた瞬間に、自らの心にビビッと来るものを深追いしているだけのような。
シャーロット・ランプリングのコメントが印象的。すごく上品で、懐古の眼差しの奥に二人だけの秘密が宿っているのを感じとれる。

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モデルたちは、一被写体というよりは作品の共作者に近いようだった。
「(撮影)するもの」と「(撮影)されるもの」っていう対立軸を設定してしまうのが、もしかしたら根本的に少しズレているかもしれない。
割と、何に関しても言えることかも。