ぐるぐるシュルツ

行き止まりの世界に生まれてのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

4.4
違いに目を向けて。
その差に気をつけて。

〜〜〜

どっぷりとストーリー線が引かれているドキュメンタリー。mid90sを観た後で、友達に奥行きを拡がるから観に行けと言われて。

アメリカの格差の実体、あんまり日本人の僕には想像しにくい。
だからトランプの分断と大統領選、民主主義と資本主義の限界ライン、明日は我が身だってそりゃわかってても呑気なもので。

大事なことは、貧困と救いのないコミュニティの中でも、うまくやれる人とそうでない人がいるということ。
どちらが悪いとかどちらが劣っているなんてことは一ミリもないはずなのに、
ザックが自らの堕落を嘲笑い同時に恥ずかしくてどうしたらいいのかわからなくても、でも自分のせいって気持ちもあって、そういうのが悔しいよ。
昔の友の距離感とかね。

そして、まさか自分がそんなことはしないと思ってても案外女性に対して暴力的であったり、
やる方とやられた方、
どちら側からしか見えてこないものを、
ごちゃ混ぜて着地させてやるという監督の意気込みが凄い。
分断なんて飛び越えていくぞっていう意志。

育った環境が全て、置かれた状況が全て、
なんていう構造主義にあんまりあぐらをかきすぎたくないけど、

あぁ、そりゃ君の立場もなんとなくわかるぞ、
って思っていたい。
わりと。あらゆる人達に。