ぐるぐるシュルツさんの映画レビュー・感想・評価

ぐるぐるシュルツ

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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

4.0

郷愁だけでは、
祈りの端までは辿り着けない。

〜〜〜

タルコフスキーのレストア。
東京の渋谷は曇天、
この冬でおそらく一番冷たい日。
懐かしい原体験の記憶たちは、
まるで自分だけしか見ていなかった
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

哀れむ為の時間じゃないね。
慈しむために時を進んでいく。
気づかせてくれたのは、君を傷つけたものたち。
ありがとう。
私からも、ありがとう。

〜〜〜

久々にとっても胸が一杯になって、
素敵な映画を
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.2

シンメトリーが崩れていく。
開けた窓が閉じれなくなる。
会話は対話じゃなくて一人語り。
電話は決して繋がらず、
ずっと電話を待っている。

〜〜〜

すごくよかった。
レイトショーも相まって、
時間が
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.4

結局本気で自分とファイトしろよ。

〜〜〜

タイラーやっぱかっこええ。
もう5.6年ぶりに見たけど、映画館で妙に高揚した。
これスクリーンで観れてほんと満足。
もう若造じゃないけどそれでもタイラーへ
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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.2

現実の可能性が一つ一つ潰されていく。
色づく瞬間だけは残こってくれよ。

〜〜〜

『mommy』の心情に沿った画角変化を思い出す。
映像の粗さや名画のような劇伴がたまらない。

自分の中のビリーホリ
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Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

4.3

最後のセリフ。
字幕にはなかったけど「”Our” friendにお別れを言ったところ」ってのが良いなぁ。
ずっと、"僕らの"友達なんだね。

デインの役どころの描き方が鋭い。
他の病系映画と一線画して
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ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

3.9

あなたの歌を歌う。

〜〜〜

2021年一発目の映画だった。
相変わらずのマリック節。絵本のような映画。
場面場面の長い長い「間」に色々考えたり思い出したりする余白が沢山ある。
彼がずっと描く「愛」
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ヘルムート・ニュートンと12人の女たち(2020年製作の映画)

3.7

意図がないからこそ意味がある。

〜〜〜

過激なヌードっていうほど過激に見えないのは時代の流れか。
差別的・挑発的な作品とは裏腹に、
何か観念や概念を神経症的に描こうという姿勢はニュートンにはあんま
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ターミネーター(1984年製作の映画)

3.7

初代!
音楽微妙に違うし!笑

あれこんなだっけ、って感じの古さもあって。
荒廃した未来も最後のストップモーションのT-800もほんのり可愛い。

ここから2のサラ・コナーと2のシュワちゃんのギャップ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.8

終わりがあるからこその青春と
終わりがないからこその友情。

〜〜〜

ダサいとクールの紙一重のバランス芸。

思っているよりもう断然にコメディに全振り。
遊んでばかりのやつらが意外とちゃっかり勉強で
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ミストレス・アメリカ(2015年製作の映画)

4.0

軽薄な痛さとしなやかな強さ。

〜〜〜

それらを描くの本当に上手いなぁ。
ノア・バームバックとグレタ・ガーウィッグ。
夫婦共に好き。
みんなの想像と虚構に支えれている今日の都市。
タイムズスクエアの
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.4

違いに目を向けて。
その差に気をつけて。

〜〜〜

どっぷりとストーリー線が引かれているドキュメンタリー。mid90sを観た後で、友達に奥行きを拡がるから観に行けと言われて。

アメリカの格差の実体
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

4.0

この感情をどうすればいいんだよ。

〜〜〜

恋とかだけじゃなくて
二人が持つ、この気持ちが、
痛いほど分かる。
どうすればいいんだよっていう感情は
きっと誰にでもあるんだよな。
湖に飛び込んだり嫌な
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.4

これよく聞く言葉だけど、
本当に、
大人になるに連れて、
本当に響き方が深く深くなっていく。
この映画を観た時にしか感じられない気持ちがある。

最初に見たのが中学生の時とかで。
高校の就学旅行で友達
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おもかげ(2019年製作の映画)

4.1

大丈夫、一人じゃないよ。

〜〜〜

この言葉をずっとずっと伝えたくて、
彼女はあそこにいたんだよね。
彼女の中では息子は今も藪の中で怯えたまんまで、でも届かなくて。
恋ではないけど、恋しい気持ち。
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(1954年製作の映画)

4.1

こんなに寂しい話だっけ。

この物語の題名を「道」にしたことに、
他人事の物語なんてないんだなって思う。
来た道があり、行く道がある。
路傍の石ころにも意味がある。

描かれていない最後の空白の数年こ
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オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

4.2

女性の美しさとは自らの良さを知っていること。

〜〜〜

なんて、粋な台詞を繰り返す父(というかビル・マーレイ)。
疎ましくもどこか離れない娘。
ソフィアコッポラらしく父と娘の描き方・距離感が絶妙。
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マイルス・デイビス: クールの誕生(2019年製作の映画)

3.8

薬に溺れたディヴィスが、
変化に対する快楽を覚え始める瞬間が克明に映る。
それは見ていてキリキリとイタさもある。
アートは癒しではなくて傷つけること。

『It Never Entered My Mi
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.4

結局2回見て、
2回目でもっとわからなくなって、
友達と何時間も考察して、
「逆行」っていうおもちゃができて、
一ヶ月くらいすごく楽しかったよ!

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.1

徐々に育っていく自意識が拠り所を求めて集まる。
あの頃は友達だった。

漠然とした世界に、指一本で触れていく少年。
90年代の空気は少しだらしがない。
デジタルが覆う直前の時代だから。

でもなんだろ
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Daughters(2020年製作の映画)

3.9

人を身篭る。人を生む。

〜〜〜

妊娠した親友が、自ずからの内面も思考も感情も身体も変わっていくのを見守りながら、同じように内面も思考も感情も身体も少しずつ変えていく。

当たり前だけど、
たった一
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.3

音響をここまで意識させられると思っていなかった。
すごく集中して見入って、聞き入ってしまった。

ヒストリーのように色んな映画の色んなシーンが引用されているから、
その度に、
感動やスリルや憧れが一束
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.7

人間には超えられない「時間」があるからこそ、
愛しくて切なくて人間らしい。

〜〜〜

グランドシネマサンシャインのGTスクリーンで鑑賞。初公開当時も映画館に観に行って、とっても大好きな映画だったけれ
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Flower(原題)(2017年製作の映画)

3.8

他の方もおっしゃっているように、ゾーイ・ドゥイッチ目当てでの鑑賞。
『グッバイ、リチャード』でキラリと光っていたから調べてみたら、なんとお母さんはBTTFのロレインだとのこと。
おお、これか、この親近
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

4.0

あまり期待しないで見たのだけど、
普通にめちゃくちゃ楽しんだ!!

決して高予算ではない感じがまたよかったな。
ちりばめられた「引用」の笑いが絶妙にモダン。
ラリった交渉もワカンダフォーエバーも流石に
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名もなき生涯(2019年製作の映画)

4.2

善と悪を見極める目を。

〜〜〜

テレンス・マリックの作品は個人的には凄く好き。
たっぷり考えながら鑑賞する間がある。
僕は、絵本に近いと思う。

自分と対峙するように、世界を見つめるように生きる登
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グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

4.1

この気怠さと気の抜け方が好き。
インディペンデントのジョニー・デップが帰ってきた感じが好き。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.3

ジーナの存在に圧倒される。

周りだって、彼女の優しさや素直さに気づいているのに、何かにことつけて、すぐに狂っていると決めつけてしまうのが悲しい。
こういう状況は少なからず僕らの周りにも起こりがちだよ
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