“愛の答え。それすらも何処かに流されてしまうのですね”
女ったらしの売れっ子小説家ジョンカサヴェテスと、(本人は認めないけど)精神病が理由で離婚させられたジーナローランズ。
元恋人同士の2人がジーナがジョンの豪邸に押しかける流れで再会!そして知的で迷走的な恋と家族の愛とは?を問いかけるような展開が続くシリアスドラマ。
自分は本作をほぼ10年ぶりに見るけれど、カサヴェテス監督作品はどれも人生の格言になるような強烈なセリフが点在する。
いつもあまりストーリーは好きじゃない笑
「do you believe that love is a continuous stream?」
愛は絶え間なく流れ続けるものよね?
と問いかける半分精神病患者のジーナローランズのセリフがとても奥深くて哲学的に聞こえる。そして考え過ぎると少し憂うつになる苦笑
カサヴェテス作品はそういう日常生活や恋愛に訴えかけるパンチラインが多くて、本作はその集大成的な映画となっている。
無趣味な女性が「強いて言えば料理が趣味かな?」とか言うと「料理は芸術か?」とニヒルに問いかけるカサヴェテスとか実に印象的。
エンディングは10年前観た時の20代前半の男子だった俺は非常にムカついたはずだ。
愛が流れるってオマエそういう意味かよ!的な苦笑
いま大人になり随分経って見返した時に
…然もありなん。こういう瞬間瞬間でしか生きられない人もいっぱいいるんだろうな
と肯定してしまう自分がいた。
愛と時の流れを感じさせる良い映画。