このレビューはネタバレを含みます
劇中、ロゼッタがリケに行っている行為は試し行動である。
沼に落ちたリケを最後の最後で助けたのも、奪った仕事をすぐに辞めたのも、ロゼッタが自分の思いを表に出すことを極端に恐れているから。
自分が沼に落ちたとき母親に助けてもらえなかったことが一種のトラウマになっている。誰かに助けてもらいたい。自分が母親にされたどんなことをしても、相手に心を開かせてほしい。そのためにリケの元から去ろうとする。
こういった曖昧な心情を映像で表現するのがすごく巧くて、監督の他の作品も観てみたいと思った。
この映画は言うまでもなく傑作。