ふたりはなぜ離婚してしまったのか？
それを遡って描いていく映画、と言われたら
やはり真っ先に『ブルー・バレンタイン』を連想するが、全く違う手触りだった。
個人的に『ブルー・バレンタイン』はもう二度と観たくない映画ランキング堂々の二位（一位は『ムカデ人間2』）に位置するくらい心を抉られたが、今作にそんな印象は無い。
ちょっと大袈裟な言い方をすると、前者は人生に絶望して結婚どころか人間そのものを信じられなくなる映画。
それに対して『ふたりの5つの分かれ路』は人生を肯定する気すら湧いてくる。
あくまで“長い人生の中のある期間”という感じがする。
「愛」という概念を抽象的に、肩の力を抜いて描いているように見えた。
なんとなく張り合いがない気がしてあまり肯定する気持ちにはなれないけど、
確かに別れを怖がりすぎる人生は退屈なのかもしれない。
