akihiko810

お引越しのakihiko810のレビュー・感想・評価

お引越し(1993年製作の映画)
3.7
gyaoでざっと視聴。相米慎二監督。
93年度キネ旬邦画ベストテン・第2位。

小学六年生の漆場レンコは、ある日両親が離婚を前提しての別居に入り父ケンイチが家を出たため、母ナズナとともに二人暮らしとなった。最初のうちこそ離婚が実感としてピンとこなかったレンコだったが、新生活を始めようと契約書を作るナズナや、ケンイチとの間に挟まれ心がざわついてくる。家でも学校でも行き場のなさを感じたレンコは、昨年も行った琵琶湖畔への家族旅行を復活させればまた平和な日々が帰ってくるかも知れないと、自分で勝手に電車の切符もホテルも予約してしまうが。

小学生時代の田畑智子が芸達者で良い。
親の離婚で否応なく大人へとならざるをえない、「通過儀礼もの」の作品。悪くはない、というか歴代邦画ベストテンに食い込むこともある本作、間違いなく「良い」作品であることには違いないのだが、あまりハマれなかった…。何故。
作品は「通過儀礼もの」の王道であり、あまりに王道すぎたのが意外性がなかったからなのだろうか、うーん…。
是枝監督が本作に心酔してるらしいが、正直、子供を撮るのも、日常の切り取り方も、是枝監督の方が巧いのではと思う。少なくとも、私の好みではある。
青年が大人になる作品、として映画「逆光の頃」とその原作漫画が頭に浮かんだが、それほど関連はない。
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