ぐるぐるシュルツ

独裁者のぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.0
子どもの笑い声、海の波の音、
白黒に照らされた横顔。

〜〜〜

逗子のシネマフェスティバルで鑑賞。

夜の浜辺に置かれた、大きなスクリーンでの野外劇場。
みんなで地べたに座って、寝転がって見る感じ。
まるで映画の中みたいな映画の見方。

チャップリンの所作に、小さい子どもは大爆笑していて、
その声で、なんだか僕らもニヤニヤしてしまう。

あぁ、なんて、しあわせな映画体験。
しあわせ喜劇。
と、思わず、思ってしまう。

そして、
高校生の頃ぶりに見た「独裁者」でしたが、
最後の最後の演説は、
いつ見ても時代の最先端の訴えに聞こえるものだと実感しました。
戦争なんて実感のない世代でも関係がなくて。
ほんとうに切実で、
涙が出てきて。

同じように鼻をすする音が聞こえてきて、
なんだか友達みたいに優しい気持ちになれて、
そっと耳を澄ましてみたら、
波や風も鳴っていた。