09年。おもしろい……。流れ星を司る双子の姉妹が離ればなれになったことから、宇宙を滅亡に導くという邪悪な彗星が覚醒。数々の星を滅亡に追いやりながら、姉妹が共に落下した地球へ向かうその彗星・デビルスターをアンパンマンたちが迎え撃つ劇場版21作目……そうですこれアンパンマンなんです。
このデビルスター、無数の雷撃に当たると生物無生物問わず石化、市民は言うに及ばず味方ほぼ全員、さらにバイキンマン一派や過去の強敵達まで石化させ、アンパンチでもびくともしないとかいう洒落にならない「意思なき災厄」で、暗黒雲に包まれながら現れるその出で立ちもオーラ充分(他の星を滅ぼす時は姿が見えないのがまた最高)。こえぇ。お前はアメコミのスーパーヴィランか。
いささか性急な部分もあり、俺のバイキンマンがひっかき回し役との不満もあれど、ロボアニメを多く手がける監督による素晴らしすぎる演出と動き(メカや戦闘描写は言うに及ばず。ホーミング弾まで出る。そして美しくそれを回避する3人)、心を得ただだんだんの『アイアン・ジャイアント』を思い起こす熱く泣ける展開など、子供だけに見せておくには惜しい、アニメの気持ちよさがすごい充実した50分。もっとアンパンマン映画を観ないと……
