犬の生活を観ました
初期のチャップリンの短編映画ですね
ここまで観た作品の中では若干完成度が劣る印象ですが、色々な形や思想性が現れている作品ですね
チャップリンは放浪紳士の格好をしていますが、これは当時の労働者階級や生活に苦しむ人々、言うなれば庶民の偶像化だと言えます
つまりチャップリンが演じているのはチャーリーという個人ではなく、大衆を代表する存在そのものである
そして警察という公的な存在に追い立てられて居場所もなく、お金がないから酒場で酒を呑めない。だけれど同時に同じような境遇にいる犬は助けるというヒューマニズム溢れる行動を行います
チャーリーは最終的に暴漢が犯罪で手に入れた資本家の財布を掠め取る形で(盗みによって)地方で農業を行い、安定した生活を送りますが見方によれば”革命”によって”資本家から資本を奪い取り””第一次産業で生計を立てる”ということを描いているとも受け取れます
おそらく現代の法の遵守を求める流れからすると不評を買うシーンだと思いますが、それでもこのシーンが描かれたことは当時の政治思想を知る上でも重要なのではないか
まあ、そんなことを考えずともドタバタコメディを楽しめばいいんですけれどね