井中カエルand物語るカメ

担え銃/チャップリンの兵隊さんの井中カエルand物語るカメのレビュー・感想・評価

3.7
チャップリン作品が見たくなったのでアマプラにあった『担え銃』を鑑賞

チャップリンらしいコミカルさの中に戦争下においても人間らしさを追求するような描写があり、この時から『独裁者』の原型は出来上がっていたんだなぁ…と感じ入りました

おそらく日本ではもちろん、世界でも最もコミカルに描けない題材が戦争

昔はチャップリンに限らずビリーワイルダーの『第17地区収容所』にも代表されるように、戦時下の兵隊の生活をコミカルに描くことが可能な時代もあったんだなぁ…と時の流れをしみじみと感じ入ります

コメディとしても現代でも通用する出来であり、明らかにわかりやすい木に扮した描写などは映画としてもコメディとしても楽しめる上に、映画の持つ構造の面白さ・馬鹿馬鹿しさを再確認する形に

そしてこの映画からは『まぼろしの市街戦』や最近だと『ちいさな独裁者』にも通じるような要素が散りばめられており、古典だからこその表現とそれを昇華させるヒントを見ましたね