ピッツア橋本

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキーのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

4.6
“石川五右衛門インチャイナ”

昼は町医者、夜は盗人(鉄猿)として悪政に苦しむ民のために生きるダークヒーローが主人公の世直し系カンフーアクション。
そこにドニーイェン演じる旅すがらのカンフー親子がからんで人物構図に程よい厚みが出てくる。

93年公開作品との事だが、エフェクトやラスボスの技構成からスト2などの格闘ゲームとの親和性を感じざるを得ない。90年代格ゲーブーム世代に育ったものとして、いろんなキャラクターが走馬灯のようにありありとイメージできた(笑)

カンフーパートはテンポ良し、見た目良しでめちゃくちゃ気持ち良いし、ワイヤーアクションを駆使した独創的な必殺技やムーブの数々がたまらない!

夜や貧民街をベースに置いた街並みのセットや構図はどことなく日本のテレビ映画や時代劇を彷彿とさせ、ワクワクさせる。暴れん坊将軍や必殺仕事人のクライマックスシーンに近い。

ワンスアポンアタイム(昔々)という事だが、一体西暦でどのあたりの時代の話なのか知らないが、治療の仕方、貧民の労働の強いられ方が絶妙に香ばしかった。貨幣や紙幣じゃなくて石つぶで物々交換するっていつの社会レベルって話よ!?苦笑

想像以上に女子供にもカンフーをバチバチにフルコンタクトしていくのだけれど、どれも凄惨さは無く、清々しくアクションをたのしめる。むしろ華麗。

この時代背景やアクションテイストで勧善懲悪な感じは見ていてすごく気持ち良い。

これぞ90年代アクション!と思わせる、中年には胸アツなカンフー映画でした。
ピッツア橋本

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