以前に映画の内容を解説してもらったことがあるので、ブロンソン自身に暴力衝動が芽生えてくるという映画なんだって視点で鑑賞しはじめた。
1番初めに暴力に快感を覚えた瞬間のブロンソンの表情の揺れがとても良かった。その後の自宅でのウキウキ感や銃をみてニコニコのブロンソンも、観ていて危うさMAX。
そんな自分自身を恐れていたのか、快感を打ち消したかったのか、はたまた自分の暴力を正当化したかったのか、亡き妻の写真を見返すシーンはどんな気持ちでいたのかちょっと考えてしまった。
1人殺してしまえば止まることはなく、どんどんとゴロツキたちを殺し始める。
助けられた人間としても、ああいうときに何もしてくれない警察よりもブロンソンの方がよほど正義のヒーローに思えるだろうなとも思う。
そこら辺の流れはなんか観ててバットマンみたいだなって思った。色んな状況とか主人公の性質も違うだろうけど。でもなんかバットマンも犯人がいること自体を喜んでそうだけどね。ジョーカーいてくれないと生きていけないでしょあの人。
そしてそれを受けて世間も自衛のために暴力を身につけていく過程などもちゃんと描かれていて私はそれが怖かった。
殺されていく強盗に黒人が多い、などという台詞もあったりして、背景に黒人の貧困問題があることも感じさせられるあたりもすごいなと。
今は自分自身がちょっとブロンソンカッコイイモードに突入してしまってる最中なので、そういう変なバイアスは抜きにして観ようと心がけたけど、やっぱちょっとブロンソンカッケーになっちゃう気持ちも分かってしまう。
それだけ私の中にも暴力衝動があるんだろうなとも思うし。ずっと抱えてる男性的なものへの憧れの正体はそれなんだろうなと今回これを観て思った。
こういうお話だからって、ダスティン・ホフマンみたいな優男っぽい人が主演の方がいいんじゃないかとブロンソンが真剣に悩んでたっていうエピソードを知って更にブロンソンが好きになった。
中盤〜終盤の展開は結構サスペンスフルで面白さもあった。
最後のポーズはめちゃくちゃ怖い。