橘宏樹

幸せのレシピの橘宏樹のレビュー・感想・評価

幸せのレシピ(2007年製作の映画)
4.1
見事なサフランソースを操るキャサリン・ゼタジョーンズ、愛姪が自分の料理を食べてくれず、どんなにかショックだったろう。ここが、つけ入りどころ。途方に暮れたところに隙ができる。ドラマを始めることができる。

それにしても、イタリアかぶれシェフの、オンナ慣れ具合には脱帽。
誘惑しておいて、相手から来させる、結構珍しいタイプの手練れではないでしょうか。腹減った女の子の手にパスタを持たせておいて、おあずけを自分から破らせて食べさせるわ、キス顔するゼタジョーンズにはおあずけ食らわせるわ、自分の腕前をオーナーに見せつけておいて地位にこだわらないわ。ケツ顎でオペラ好きの陽気なキャラ設定からの策士っぷりがなんとも狡猾。翻弄上手。

でもまあ、叔母と姪ともども、転がされていればいいと思います。オトコにテクニックがあるというのは、良いことだと思いますから。
橘宏樹

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