橘宏樹さんの映画レビュー・感想・評価

橘宏樹

橘宏樹

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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.2

母親だとは思えないから、肉子ちゃんと呼ぶ。
母親だと思ってしまったら、申し訳ないと思っているから。
母親だと思えてしまったなら、どんなにか楽だろうに。
そんなこと、11歳では、想像すらできない。

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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

少し野暮じゃないかってくらい説明くさい長いセリフ回しで、もっと余白とか沈黙とか無音とかに託してしまえば深みが出てよかったんじゃないかって思った。村上春樹の原作を読んでないけれど、読み聞かせられているか>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

「ラブ・アクチュアリー」的に、千両役者目白押しで本当に華やかな正月映画。
トランプとポスト・トゥルースの揶揄がどストレート過ぎて、脚本もあまりにひねりがなさ過ぎて、千両役者を並べないと、もたなかったと
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.0

客に媚びずはいいんだけど、たけしに媚びすぎ。
リスペクトもいいんだけど。
キレイだしまとまってるし泣ける話なのも演者好演もいいんだけど。
そんなんだから、こんなんなっちまったんだよ日本は、ばか野郎、と
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

2.7

ことさらにおぞましさを際立てようという演出や描写にはすぐに萎えてしまうから、自分はゾンビ映画を見れないと思っていたけど、トッケビでコン・ユが好きになったから、その好きさ加減がゾンビものへの食わず嫌いを>>続きを読む

星の王子ニューヨークへ行く2(2021年製作の映画)

2.5

第一作のファンだから、同窓会企画だから一応見ましたよ。
第一作のファンだから、セミのとぼけ顔と、エディ・マーフィーの笑顔でなんとか見ていられましたよ。でもまあ、ちょっといくらなんでも、脚本に無理矢理感
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セックス・アンド・ザ・シティ(2008年製作の映画)

1.0

サラ・ジェシカパーカーは自己中心的過ぎだし、俗物すぎてマジ閉口。人として許される水準にないでしょう。全世界の何億人かの女性がこいつに憧れてるんですか?アホなんですか?人類の滅亡は近いですね。

結婚に
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幸せのレシピ(2007年製作の映画)

4.1

見事なサフランソースを操るキャサリン・ゼタジョーンズ、愛姪が自分の料理を食べてくれず、どんなにかショックだったろう。ここが、つけ入りどころ。途方に暮れたところに隙ができる。ドラマを始めることができる。>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

4.7

なんてことない、優しい高校生男子がふたり。
彼らの片方に、最初からあまえ切った転校生女子。

女の子が男の子にあまえている、あまえられるということは、当然それは、既に好きだからなのだってことを、思春期
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.3

司令塔を上り詰めていく際のバトルは、息遣いや跳弾の音が迫り来るようで、クリストファー・ノーランの「ダンケルク」のような緊迫感に満ちていた。
随所にちらつくジャポニズムは、監督の名前が日系人ぽいだけでは
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ニューヨークの巴里夫(2013年製作の映画)

4.2

二回見た。地下鉄のでベンチで3人の女がこちらを見る。二人はヘラヘラしていてオードレィ・トゥトゥだけは真剣な眼差し。誰こそが自分と愛ある日々を歩ける者なのか明らかになる瞬間。

グザヴィエの息子の、聡明
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.8

ティモシー見たさに見ちゃった。
やっぱ色白の胸元と物憂げな前髪に深緑色のパジャマは罪ですわ。文庫本を乱暴に折り曲げて読む様子までセクシー。あれじゃ本傷んじゃうよ。でも、ティモっているという整理。
テー
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ホームレス ニューヨークと寝た男(2014年製作の映画)

4.3

妙におしゃれ
ロッカーに突っ込んでても服がしわくちゃに見えない
でも臭いんだろうな
映画は臭いがわからない

ツラい生活無理にテンション上げてるんだろうな
南アの仕事なんで断ったんだろう
そういうとこ
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.2

おいおいオシャレすぎだよ。

ウディ・アレンはもう、ファントムスレッドみたいな自分の心の恥ずかしさ丸出しの映画は書けないんだろうか。撮れないんだろうか。ウディ・アレンほどの映画監督なんだろう。ちゃんと
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.2

向かいにあんな賑やかな娘たちが飛び跳ねていたら、そりゃあ寂しさも紛れることだろう。孫の嫁に1人くらい来たって構わないだろう。

ティモシー・シャロメの優しい美しさ。
ポケットに手を突っ込んで股上の長さ
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ショコラ(2000年製作の映画)

4.1

それが人生だと、愛だと信じて、ひたすら耐えて守ってきたのに。
心のどこかで違うような気はしていた。もう耐えるのが辛くて、違うような気がする心が膨らんできていた。膨らむ不安を見て見ぬふりができなくなる瞬
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.9

世界最高最先端を自分の内側から常に捻り出さねばならぬ重圧にある人は、業界問わずこんな感じだよなあと。他業界の知り合いを思い出しながら観た。

自分が人を軽んじてるんじゃなくて、美の前に凡そ人は軽んじら
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運命の女(2002年製作の映画)

3.3

憎くて殺したのだから、化けて出られても困ることもなかろう。
償いのくだりが描かれないというオチもアリだよねと思った。

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

絶対永遠に最愛の映画。フィルムを我が棺に入れて共に焼いて欲しいほどに。全く別格。

自分は愛されていた。それを想い出すためには、忘れていることが必要なのだ。

主人公が忘れていた少年時代を想い出す時、
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

4.1


青が鮮やかでありながら繊細なのは、スーツだけじゃない。迷いなく暴力的な青。希望や優しさが溢れる青。時折背景に滲む、プリズムから漏れる閃光のような青。目に痛いようでいて、ボカシが入る。

それは一見風
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

4.3

残留思念は強く、孫すら呼び寄せる。

孫をいたわるために化けて出たのですらない。やり場のない寂しさが、時空を超える。愛する孫すら、慰みにする。遊んで打ち捨て、笑顔でまたすり寄る。生なきゆえに、実に無邪
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魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.2

‪KIKIにおばさまからチョコレートケーキお届け発注で涙腺崩壊。もはやこれまで。‬

‪ていうか、ここがある意味でクライマックスだと思うんだよね。知らぬ街で他人の世話になり倒して、数々の優しさに打ちの
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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

4.1

音楽を愛しているなどと言う考えなしが無為放埒に時間と若さを空費する様を、正直に手厳しく描く。
愚かでしかない。美もない。しかし避けられない。
自然も歴史も教育も豊かな土地柄であれば、こうも人は荒まない
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コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

3.0

最後はこのシリーズらしい規模感で終了して安心した。
しかしこのFilmarksのあらすじには極めて基本的な事項に決定的な大ウソが書いてある…
三浦春馬氏がポスト沢村一樹先生の道を歩み始めてる感があった
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.7

ゴージャスなインテリアと衣装による圧倒的な映像美と、これまたド迫力女優3人の顔どアップ長回しだけで構築された映画。長回しのなかでほんの少しずつ感情が滲んだり隠されたりする様を息を詰めながら見守る。>>続きを読む

パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

4.7

充実の耽美。やっぱ映画はここまでイカれてくれないとね!僕的映画史に残った。

特にクライマックスが素晴らしい。ここまでクライマックスに期待させてその期待を乗り越えて来れる映画はなかなかないでしょう。絵
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.6

まず煙草の吸い方の演じ分けがイイ。
貧乏くさく震えてすするタバコと、胸いっぱいの悦びを噛み締めて震えて仰け反りながら飲むタバコ。
指先でピンと弾いて投げ捨てるポーズの何気ないかっこよさ。歌舞伎的な見栄
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河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)

4.1

河童がどうというより、全編にわたって、多角的に様々な次元のいじめのリアルを描く丁寧さが見どころ。スジを守りたいだけのマイノリティの孤独と疲弊。この苦しみになんの意味がある。私になんの罪がある。ピュアに>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.3

そりゃあ黒人差別はひどいが、リアルな分誇張も少ない。大声も出さない。人も死なない。基本的には、平坦で静かなロードムービーであったと思う。だが、その静けさこそが、男惚れする二人の人格にきちんとスポットを>>続きを読む

セレンディピティ(2001年製作の映画)

3.1

積み上げた愛は否定される浮気映画。この浮気は脚本の工夫による正当化すらされない。なぜならそれは幸せな偶然だから。運命だから。

ていうか偶然が続くと運命なのかもって舞い上がるよね〜!あるある〜!を真面
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マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

4.7

なんでかわからんけど昔から最愛の映画のひとつ。クタッとしてる時に見れる。
ノラ・ジョーンズが、傷心旅行中に出会って色々学ばせてもらうレイチェル・ワイズとナタリー・ポートマンのゴージャスさといったら!輝
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.8

腹決まってるオンナは美しい。
恨みは誇りの裏返し。僕は復讐ものに弱い。

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

4.1

ヒュー様がまだピュアな役もやらせてもらえた頃の作品。要するにジュリアロバーツは面食いだったのね。オレンジジュースより甘いマスク。
ほかの女の影もチラついたらもう少しめんどくさい映画になってたろう。それ
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.3

なんでもかんでもファッキンファッキン言うのは面白いが、見る価値があったかは微妙。デカプリオの過剰さを楽しんだくらいか。

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

3.3

デカプリオの夢見るように女性を見つめる眼差しに、ああこの過剰さこそデカプリオだよなあって思う。「ミッドナイト・イン・パリ」で主人公に親切にしてくれたフィッツジェラルドがこれを書いたんだよなーとか思いな>>続きを読む

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