RAY

蛇のひとのRAYのレビュー・感想・評価

蛇のひと(2010年製作の映画)
3.5
“人の根っこの根っこ”


以前から気になっていた作品でclipはしていたのですが、ずっとそのままになっていた作品。
なかなか面白い映画でした。
冒頭に出てくる“WOWOWシナリオ大賞”と言うものがいかほどのものなのか僕は知りませんが、とにかくなかなか面白い映画でした。


主演は永作博美さん。
西島秀俊さん、田中圭さん、國村隼さん等豪華なキャストも魅力です。

このレビューのタイトルにしてみたのですが、この映画に描かれていることは、人の根っこの根っこだと感じました。
分かりにくい表現ですよね。ごめんなさい。
もう少し説明しますね。
たとえば、ある人がどんな人かを表すとき、多分、その人の精神的特徴で表すと思います。
優しいとか頑固とか。
実際のところはもちろん本人にしか分からないのですが、仮に本人もそう思っているのなら、優しいや頑固はその人の根本なのだと思います。つまり、根っこ。
だけど、自分も知らない根っこがあるとしたら。
と言うか、あるんだと思います。
僕も時々それを感じることがあります。
それを気付くのは、たとえば誰かから、「お前って意外と酷いこと言ったりするよな」だとかと言われた時。
“ダークサイド”みたいなものですかね。
自分はそんなつもりは無いのに無意識に発動している自分の根っこ。
それが根っこの根っこだと僕は思うのです。

もしかしたら、これは少なからず人が持ち合わせているものなのかもしれません。
ただ無意識に抑えているだけで。
だけど、いちばん怖いのは、根っこと根っこの根っこを使い分けている人なのではないでしょうか。
根っこの根っこについて考えた時、この映画を観た時、僕はそう思いました。


レビューのほとんどを根っこの根っこについて書いてしまったのですが、僕はそんな話だと感じたので、これ以上の内容についてはご覧になって頂きたいです。
どちらかと言うと暗い映画ですし、とても邦画らしい作品なのですが、だからこそ描くことの出来た作品でもあると思うのです。
冒頭に書いた様に、“WOWOWシナリオ大賞”の価値は存じ上げませんが、興味深く、面白いシナリオであったことは間違いないと思います。


観て良かった。
RAY

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