「今は…これが精一杯…」
宮崎駿の劇場版アニメの快進撃はこの作品から始まった…
初監督作品…
その後の全てのミヤザキ要素がこの映画には詰まっているのがわかります。
何よりアニメの持つ躍動感の素晴らしさ…ルパンが走る…飛ぶ…登る…泳ぐ…
カーチェイス…スカイチェイス…格闘アクション…
もうずっと観ていられる素晴らしさ…
そしてこれがその後のミヤザキを象徴する「観ている者の心を鷲掴みにする」シークエンスの数々…
例えば…
瀕死のルパンを救ったじいさんが次元に言う…
「礼ならその犬に言ってくれ…誰にもなつかない犬がその男の脇を離れようとしない…」
まあ、これにはストーリー的な秘密が後からわかるのだけどルパンの魅力を動物に代弁させるやり方はミヤザキの真骨頂だ…ナウシカとキツネリスのテト…アシタカとヤックル…その原型…もう鷲掴みにされます。
ルパンがクラリスと逃げるとき、敵を食い止める次元と五右衛門のところへクラリスはわざわざ戻り二人に礼といたわりの言葉をかける…おっさん二人ならず観てるこっちも心を鷲掴みにされる瞬間です。
これらのシークエンスの積み重ねがラストのゼニガタのクサイ台詞が世紀の名言として世に残った理由です。
カリオストロ家に伝わる言い伝えや謎…ミヤザキの伝説好きのはじまり…
あまりにミヤザキ色が強く「こんなのルパンじゃない」という声もよく聞きました。
確かにモンキーパンチ氏の原作からはマイルドになりすぎてる気はしますが、最初のテレビ放映のルパン三世にはとてもオマージュを感じます。
カジノのゴート札強奪からのアバンタイトルのあと、まるでエンディングみたいな女性ボーカルの歌とイメージが流れます。これってテレビシリーズの不二子がバイクで夕日の中を走るエンディングを彷彿とさせます。
「手にしたものは全て消えゆく…サダメなのさ…ルパン三世」
終わりかたももテレビの最終回と同じ…いつまでも続いてほしいような…物悲しいような…ちょっとファンタジックな感じさえするゼニガタとのおいかけっこ…
「なんて気持ちのいい…」
名作なんだろう😁💦