きゅうげん

テキサス・チェーンソー ビギニングのきゅうげんのレビュー・感想・評価

4.0
ジョーダナ・ブリュースター&マシュー・ボマー主演、製作はマイケル・ベイが続投。
監督は『世界侵略:ロサンゼルス決戦』や『ミュータント・タートルズ』(2014年版)などを後に撮る、ベイ門下生のジョナサン・リーベスマン。

精肉工場で奇形児爆誕!
初殺人現場で背後に光るチェーンソー!
これぞレザーフェイスの“ビギニング”!
初チェーンソー場面や初マスク場面などの感動はひとしお。『悪魔のいけにえ』シリーズにおいて、元祖に匹敵する完璧なルネッサンスと言っても過言ではありません。
パンイチ保安官で悦に入る叔父さんとか、お茶会デブでドアストッパーとか、ナンセンスさも忘れてませんし、また主任殺害のピタゴラスイッチ感や、ラップぐるぐるから口串刺しのコンボ技、腕ズタズタ顔ベロベロのサービスショットなど、エグみのツボも絶妙です。
そしてだからこそ映える、有無をいわさぬ冷酷無比なチェーンソー・バイオレンス。


映画ライターの高橋ヨシキさんは、ベトナム戦争の影響下でうまれた初代『悪魔のいけにえ』と、9.11やアフガン侵攻にイラク戦争などブッシュ政権下で復活した2000年代ヒルビリー&スプラッターのホラーブームとを、照らし合わせて論じています。
排他性が先鋭化した当時の社会不安は、「オレの町に何しに来た」「オレの家に勝手にはいったな」と絶叫する保安官に重ねられるでしょう。
ホラー映画ほど、世相をあらわす映画ジャンルはありませんからね。