きゅうげん

インシディアス 第2章のきゅうげんのレビュー・感想・評価

インシディアス 第2章(2013年製作の映画)
3.3
息子を救った父が一転、超常現象殺人事件の黒幕に!?

急転直下の前作ラスト直後から物語はスタートし、時系列や人物設定などを深掘りする形で物語世界を拡張。
謎を暴けば暴くほど恐ろしくなくなってしまうのがオカルトホラーのジレンマですが、この映画は「パトリック・ウィルソンの一人二役」とか「時空を超えた共闘展開」という映画的な演出の面白みにスライドすることで、ジャンル的問題点に荒治療を施しています。「今度はボクがパパを助ける」クライマックスは、単純にエモいですもんね。

ただやっぱり、真相究明パートとか登場人物の機微とかが粗略かつ散漫な感がありますし、オーレン・ペリ仕込みな自撮り風撮影は過剰なうえに古臭い……。
前作やそれ以前の出来事へ遡及する構造のため、新作としてのフレッシュな恐ろしさとか驚きとかが少ないのも残念。
取って付けたようなCパートも、これ見よがしであんまりノれず。……ってかそうだよ、大事なのはあの赤鬼だよ!
『死霊館』と『ワイスピ』に忙殺されるなかでの製作だったためか、映画の建て付け自体がかなり弱い印象です。
シリーズ後続作品も基本は前日譚のようで、ジャンル映画の常ではありますが、やはり竜頭蛇尾は仕方ないのかな……。