Takaomi

テキサス・チェーンソー ビギニングのTakaomiのレビュー・感想・評価

2.5
初期の悪魔のいけにえが精神的にも肉体的にもあまりにもエグく深みがあっていつになっても終わらない怖さが売りだっただけに物足りなかったかな。

この作品は、ジェイソンやブギーマンなどの有名スプラッターキャラを通り越して、レザーフェイスという神格化した謎のベールに包まれた怪物のストーリーがメインであり、ただの残虐なスプラッターものではなくて、リアルさをより追求した人間的なサスペンス要素も楽しめる映画だと思ってます。

ビギニングというぐらいなのだから幼少期のレザーフェイスがなぜ怪物として生きることになったのかを具体的に描かなければ意味がない。

テキサスという閉ざされた街や差別や偏見、そしてアメリカ全土が彼らのようなモンスターを作り出した風刺をベトナム戦争で導きだすのかと思ったのにまったくペラッペラッ(笑)

ただのどこにでもありそうな超グロ映画になっていて、怖いだろ?気持ち悪いだろ?って製作陣がニヤニヤしているんだろうなって糸がいちいち見えてきて冷めてしまった。

父親のホイトでも本家では、優しそうな田舎の世話好きなおじさんがどんどん本性を現してエスカレートしていくヘンゼルとグレーテル効果を表現することで、人を信用することへの後悔や、人間の本能的な怖さを引き出していた。

今回はそれをぶっ飛ばしていきなり銃を人に打っ放したり、拷問したり、調理したりするもんだから肝心な怖さを半減してレザーフェイスを通り越して「テキサスチェーンソーホイト」になっていたのが非常に非常に残念。

だけど太ったおばちゃんを扉があかないように押さえるのには爆笑したし、恒例の最期の晩餐(ほとんど死んでる)にはゾクッとしましたが。。。

とりあえずグロいのが好きな人は楽しめますが、本家が好きな人は同じような展開だからつまらないかもしれません。
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