Takaomi

エスターのTakaomiのレビュー・感想・評価

エスター(2009年製作の映画)
4.2
ずっとこの少女なのか女なのか何なのかわからない不気味な容姿のジャケットに惹かれていたんですが、ようやく見れました。

いやあ、、、エスター恐るべしです。
サイコスリラーものと言えばシャイニングが王道と言われてますが、こっちはそれの遙か上を行っているトラウマレベルの作品でした!

サイコ系では個人的に一番です。
ひとつひとつの不線や設定がとにかく丁寧。
この作品の重要人物である、ヴェラファーミガ演じる母ケイトの娘マックス役のアリアーナエンジニアちゃんは実際に聴覚に障害があったり、エスター演じるイザベルファーマンちゃんも本当にロシア系だったりとそれを踏まえてみるとさらにリアルな恐怖が増してくる。

イザベルファーマンちゃんの演技力にはただただ脱帽します。助演女優賞をあげても良いレベルでしょう。
本気出せばここまで演じられるですね、人は。
十人十色の使い分ける顔の表情にも注目してほしいです。
多重人格なのかと思えてくるので、、、

そしてあんなにあどけないはずの少女がストーリーが進むにつれて途中から目線とか態度とか言動がだんだん女になっていくんですもん。
妖艶さというのか妙なエロスを感じてしまった。
あの化粧にあのドレスは、、、子どもでもあんなに変われるんだなと世の女性に対しても関心しておりました(笑)

思わずこの子本当は何才なんだと暗示をかけるように何度も何度もつぶやいてしまった。

なんとなく分かってくるんですよね。たくさん張られた伏線の中で。
コミュニケーション能力や使う言葉、芸術性にも垣間見えるんです。
なんか普通じゃないって、多分!絶対!と言っているすべての視聴者の顎がはずれます。えええええ!!!と僕もなりました。
だからなのか!すべてが繋がったときもう一度見たくなるんですね。

今回の一番の見どころは、人間には誰しも持っているそれぞれに見せる顔や態度の違いでしょう。
子供にしかみせない顔と母に見せる顔、父親に見せる顔を巧妙に使い分けていくんです。そして一人一人を手にとるように洗脳していく。

にしても男ってホントに弱いですよね。あどけない少女の涙にはなおさら。
父ちゃんが使いものにならなさすぎて、鈍感すぎてじれったいのを通り越して、腹立ってきました。奥さん可哀想、結局○されるしさ!!
僕もすべての女性に優しくするのはいけないなと、大変勉強になりました(笑)

女対女の戦いにも注目です。そうやってみるとなおさら面白いし、嫉妬って怖い。
なによりも母は強し!!尊敬しました。

果たしてあなたとこうして言葉を交わしている子供は、今すれ違った子供は、本当に少女でしょうか?実は中身は大人なのかもしれません。
それでは、またお会いしましょう。
Takaomi

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