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DENGEKI 電撃のblacknessfallのレビュー・感想・評価

DENGEKI 電撃(2001年製作の映画)
2.6
"沈黙"シリーズじゃないセガールだって観るぜ。観るの2回目かな。
これはバートコウィアク監督のヒップホップ・カンフー三部作の第2作。他は『ブラックダイヤモンド』『ロミオ・マスト・ダイ』これは最近知った。そもそも監督が同じだったなんて気づかなかったし笑
それにヒップホップと銘打ってるのに『ロミオ・マスト・ダイ』の黒人ギャングとかあんまりな画き方じゃないかと、、笑

セガール、今回は(或いは、今回も)刑事。セガール演じるボイド刑事は正義感に篤すぎて捜査規範に反する過激な行動を取ることから、犯罪多発地区と呼ばれる15分署に左遷される。

犯罪多発地区と言われるぐらいだから、当然ドラッグが蔓延してる。麻薬密売の現場に遭遇したボイドは麻薬密売ルートの捜査することになる。左遷されたり、偶然、事件現場に遭遇するのは"沈黙"シリーズにはよくあることなんで、沈黙を冠してないこの映画ものっけから沈黙臭が漂う笑

捜査の過程で麻薬密売を仕切っているのは警察内部の人間だということが明らかになってくる。流石、犯罪多発地区ともなれば警察内部もしっかり腐ってる笑

"沈黙"シリーズならここでセガールの超能力なみの精度の推理と無双アクションでスイーーッと解決するけど、これは"沈黙"シリーズではない。
ヒップホップ・カンフー三部作なんで黒人、しかもラッパーであるDMX演じるラトレルという男が捜査を主導することに。

捜査を主導すると言ってもラトレルは刑事ではない。麻薬取引き現場に居合わせたことから売人と思われるが、実は麻薬密売の冤罪で逮捕された弟の無罪を証明するため、売人に成り済まし真犯人を捕まえようとするコンピューターの天才!インディー系潜入捜査官。
ボイド刑事は売人だと思いラトレルの逮捕に踏み切るがそこでラトレルが掴んだ15分署の刑事が麻薬密売の主犯であることを示す証拠を見せられる。
ボイドとラトレルはダッグを組み麻薬密売刑事達を逮捕することに。

ある意味、セガール版『セルピコ』若しくはセガール版『48時間』と言えないこともない刑事映画なんだけど、無論、セガールが主演な以上、『セルピコ』のようなシビアな展開や『48時間』のようなスリルがあるわけじゃない笑
適度なアクションとご都合主義的な展開で悪は滅びるというかなり"沈黙"的な映画だった笑

2001年の作品だけあってセガールもまだそれなりシュッとして若いからアクションは意外と頑張ってる。走行中のワゴンから転がり落ちるという近年ではまず見られない危ないシーンもある。でも、これはスタントかも知れないけど笑
ハードで危険度の高いカーチェイスや撃ち合いもあり、ギリギリ普通のアクションスターに見える笑

しかし、ヒップホップ・カンフーと銘打ってるけどヒップホップもカンフーもあまりフューチャーされてない。カンフーは誰も使ってない。セガールなのに合気道もほぼなくて、日本刀でのチャンバラが最大の見せ場になってるし、そこはカンフーにしろよ😂
ヒップホップもラップがガンガン流れるけど、それだけって感じでヒップホップ・カルチャーをフックしてるわけじゃない。
黒人キャストが多めだけど、黒人にする必然性は薄く思えた。

とは言え、ヒップホップ・カンフー三部作であるから主導権は監督にありセガールではないから、セガール映画でのおれの好物、唐突に出てくるセガールのハイパーリベラル・ポリティカル・ステートメントもなかった笑

何かどっちつかずで凡庸な刑事アクションになってしまっていて残念だった。

ラトレル役のDMXはちょっと前に亡くなった。その時、ヒップホップ好きの人達が、追悼で『ロミオ・マスト・ダイ』観よう、と言ってるのを見かけて『DENGEKI電撃』の方が重要な役ですよ、と話しかけたら、みんな『DENGEKI 電撃』のこと知らなかったんだよ。勿論、ヒップホップ・カンフー三部作のことも、、浸透してなさすぎだろ😂
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