やわらか

戦争のはらわたのやわらかのレビュー・感想・評価

戦争のはらわた(1977年製作の映画)
3.9
今年に入ってから観た戦争映画で言うと「ハクソーリッジ」が該当するんだろうけど、戦争におけるバイオレンスを直接的に描くというタイプの作品の元祖のうちのひとつなのかな。
 
サム・ペキンパーについては、名前だけは知っていて一作も観たことがなかった。なんとなくむかしの監督、という印象だったけど80年代にも作品を撮っているぐらい最近の人だったんだねー。というか若くして亡くなってしまったけど、1925年生まれだから、まだ存命でもおかしくないぐらいだな。

さてこの作品。やはり観はじめると、戦闘シーンの迫力やその合間に描かれるちょっと残酷な描写に目が行く。とはいえ、先ほどの「ハクソーリッジ」やら邦画の「野火」「軍旗はためく下に」辺りと比較すると、むしろエンターテイメントな感じに思える。もっと古い時代のものだと別かもだけど、この辺は後追いで観ると相対評価になっちゃうよね。あとこれも今風な感覚になってしまうけど、ドイツ兵がみんな英語喋ってるのはやっぱり違和感感じるかな。
 
ただ、そういう表面的なバイオレンスとかのリアリティではなく、作品全体の展開、戦闘シーンと戦場から脱出するシーンの動と静。そして、自陣に戻ってからラストまでの流れ。純粋な映画としての面白さはこちらの方が断然上だと思う。何よりジェームズ・コバーンが立ち姿からしてカッコよすぎだしね。さすがに名前が残る作品というところかな。
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