初鑑賞。
”俺たちはナチや国、理想のために戦ってるんじゃない。生き残るために戦ってるんだ" ドイツ軍の1小隊を描いた映画。
第二次世界大戦の映画は数多くあるが、いずれも連合軍から見た第二次世界大戦を描いていて、その多くがドイツ軍と戦っている。
「ドイツ軍=ナチス」というイメージは捨てきれず、非道な敵として描かれてしまう。
しかしドイツ側から見てみると、とても人間的だ。
連合軍と枢軸軍、前線で戦う兵士達にとってどっちも大して変わらないんだ。
むしろナチスの掲げる理想に疑問を持つ人物も少なくない。
本作は生粋の軍人で部下、そして自分が生き残るために戦うシュタイナーと、貴族の生まれで勲章という名誉を欲するシュトラスキーが対照的に描かれる。
方向性は違えど何方も人間的で、知っているドイツ軍のイメージにメスを入れてくれる。
一部の間違った理想から始まってしまった第二次世界大戦。
そしてその犠牲となった前線で戦う兵士達。
まさに「戦争のはらわた」だった。
ラスト、ブランド大佐がキーゼル大尉にする"最後の命令"が非常に深かった。
般若の歌に、「お偉いさん同士でさしで勝負しろ」みたいな歌詞があるけど、本当にそう思う。
また、こちらもフューリー同様、本物の戦車を戦闘シーンに用いており、75年の映画とは思えないほど見応えがあった。
それにしても鉄十字かっこいいわ