OASIS

父 パードレ・パドローネのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

厳格な父親に幼い頃から羊飼いとして育てられた青年ガビーノの生い立ちを描いた映画。
監督はパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟。

この映画の元となった原作者であるガビーノ本人が登場し、自ら語り始めるオープニングという構成が面白く引き込まれる。
本人が父役の俳優に「ここ、もうちょっとこうだったと思う」と演出したり、映画の途中で説明役として現れたりと息抜き的な意味でも一役かっていた。

いつも厳しい父親(パードレ)に育てられ、父親への恐怖心から口を閉ざしがちになってしまったガビーノ。
やがて大人に成長した彼は、父親の元から離れ、ラジオ技師や軍人など様々な経験を経て父の居る故郷へと戻って来る。
閉鎖的な村からの旅立ち、そして帰郷。
故郷というものは捨てたくても捨てられない、忘れようとしてもいつだって其処にあるもの。
そんな、当たり前だが忘れがちな事を再認識させてくれる。

息子にとっての父とは?
そして父にとっての息子とは。
いつか乗り越えなければならない存在であり、乗り越えられたくない存在であり。
尊厳と葛藤、反発し合うものがお互い歩み寄る事の困難さとコミュニケーションの複雑さを感じる作品だった。