emily

明日、君がいないのemilyのネタバレレビュー・内容・結末

明日、君がいない(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

午後2:37、1人の生徒が自殺をする。自殺をしたのはだれか?
それまでの一日をカメラは追う。19歳の6人の主人公がいる。成績優秀のマーカスや、その妹メロディ。ゲイだったり、脚の悪い子だったり、ルークとサラのカップルだったり。

人気者、そうでないものもそれぞれ悩みを抱えていて、それを誰にも打ち明けられないでいる。まさに誰が自殺してもおかしくない状態で、それぞれの問題はかなり複雑である。

ただ6人ともそれなりに存在感がある。問題は自殺した子がこの中にはいないで、少しずつみんなと絡んではいるが、いなくなってもわからないぐらいに存在感がないってこと。

彼女はたしかにいた。足の悪い少年と話をしていたり、女の子と行動してたり、ただそれはほとんど映像に映っていない。
映像でもしっかりとその存在感のなさが映されている。
彼女からの一方通行の発言が妙に痛々しく、それを相手にされていないのがまた存在感のなさを際立てる。

別に何の悪気もないんだろうけど、クラスにそうゆう子いるなって。例えば10年前の同級生の話になった時に、名前を聞いても顔も思い浮かばないような子。
ただ気づいてほしい。
ここにいるって主張しても気が付かれない。
だから彼女には自殺するしか手段がなかったのかな。
死ぬことで自分の生きた証を残すみたいな。

生きてる間は気づいてあげられなかったけど。
彼女のことを忘れてはいけない。
存在したことを忘れてはいけない。
事件があったことを忘れてはいけない。
それが唯一彼女の存在価値なのだから。
emily

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