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怪談かさねが渕のbrianのレビュー・感想・評価

怪談かさねが渕(1957年製作の映画)
3.7
暑気払いに怪談映画を鑑賞してみた。

金銭にまつわる男の欲望に翻弄されて無念の死を遂げる人たちの怨念が描かれている。
怨みを果たして本当に成仏はできたのだろうか。哀しみと憎しみが余韻として残っている終わり方である。

若杉嘉津子は三味線の師匠で凛とした姿を披露。水面に映る自分の崩れた顔に衝撃を受ける場面は息を飲む。
丹波哲郎は物語の中で重要なポジショニングで終始悪役に徹する。

音楽は渡辺宙明。場面に相応しい音を奏でながら時折ジャズの旋律をはさみこむ技が冴える。
脚本は「月光仮面」「東京流れ者」を手がけ、作詞家としてもヒット曲を生んだ川内康範。
監督は"怪談映画の名手"中川信夫。
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