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ショート・サマー
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ショート・サマーの作品紹介

ショート・サマーのあらすじ

8歳のカティヤは、ロシアの農村で祖父母とともに夏を過ごしている。まるで時間が止まったかのような静けさのなか、大人たちは口を閉ざし、背景で繰り広げられる戦争が人々の生活を破滅させていく。そんななかでも、雲は空を流れ、子供たちは大人になっていくのだった。

ショート・サマーの監督

ナスティア・コルキア

原題
Short Summer
製作年
2025年
製作国・地域
ドイツ、フランス、セルビア
上映時間
101分
ジャンル
ドラマ

『ショート・サマー』に投稿された感想・評価

Omizu
3.2
【第9回なら国際映画祭 コンペティション部門出品】
ヴェネツィア映画祭ヴェニス・デイズ部門でデビュー作品賞を受賞、なら国際映画祭コンペティション部門に出品されている。

祖父母のもとで育つ少女の夏を描いた作品。長回しで繋いでいくスタイルはいいが、やや単調な印象。正直けっこう寝てしまった。

映像の力はあるし、アート作品としての吸引力は十分。ただ、絵面があまり変わらないのでメリハリに欠けるというか。

悪くはないし、好きな人はとことん好きなタイプの作品だとは思う。自分にはあまり合わなかった。
[ロシア、短かったあの夏と日常化/背景化した戦争] 70点

ナスティア・コルキア(Nastia Korkia)劇長編一作目。第二次チェチェン戦争下のロシアで幼少期を過ごした監督は、子供時代の思い出の背景に存在した戦争についての鮮明な記憶を思い返す。8歳の少女カティアは、田舎の祖父母の別荘で夏を過ごす。カティアが昔馴染みの少年たちと遊びまわり、水の引いた川や抜けた歯の話をする背景では、ラジオでは行方不明の退役軍人の捜索情報やチェチェン戦争の戦況が語られ、曇り空には戦闘機が飛び回り、遊び場のすぐ後ろを戦場へ向かう戦車満載の列車が通り(あまりにも見事な長回し!)、役所では息子の死亡証明書が1年も発行されないことに嘆く母親がロシア的な官僚主義と何度目かの戦いを行うが、カティアの主な関心事は離婚間近で常に緊張感のある祖父母の関係性、そして大人の世界では"日常"と化した世界との新たな出会いである。ほとんどの場合でロングショットの長回しを用いて、揺蕩うように"平和に"流れていく時間を見つめていく。アプローチとしてはEmilija Gašić『78 Days』とそっくりで驚くが、同作ではいつ爆撃されるか分からない中で日常を掴んで離さない様を描いていたが、本作品は攻める側の国にいた子供の記憶なので、戦争は本当に背景になっている(ちなみに、ロケ地はセルビアの寂れた炭鉱町だったようだ)。そして、本作品では当事者としての暴力性が唐突に紛れ込む。冒頭では馴染の少年たちが検問の真似をして祖父から小銭を巻き上げる(祖父は笑いながらそれに丁寧に応対する)、子供たちが土に埋めて隠す宝箱の中には父親の足を切断した砲弾の断片が入っている、そして極め付きは、前述の捜索されているらしい青いコートの男がロングショットの中でいきなり別の男を撲殺するのだ。この狂気がすぐそこまで迫っているのに、大人たちは沈黙し、子供たちは無邪気に遊んでいるのだ。

どこか不穏な"美しさ"のある構図のロングショットと身体の触れ合いに注目するクローズアップという緩急ある撮影を行ったのは、実はChristine Haroutounian『After Dreaming』の撮影も行ったエフゲニー・ロディン(Evgeny Rodin)である。注目の撮影監督だ。

カティアは小さな鏡に太陽光を反射させて壁に映す遊びをよく行っていた。それは明るい中で懐中電灯を付けて細部を観察するような、現在と過去を結ぶ細い線のようにも見える。彼女がいたはずの部屋に反射光だけが残っているのは、現在からそれを思い出しているからなのだろうか。あの小さな部屋から見た、大人たちの世界を。