TakahisaHarada

親切なクムジャさんのTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

親切なクムジャさん(2005年製作の映画)
3.8
クムジャの復讐、贖罪が描かれる作品。序盤の展開を観て「この人が親切?」と思ったけど、観進めていくとたしかに「親切なクムジャさん」だった。
誘拐事件の真相とは、クムジャの復讐とは、というミステリーの構図で、結末はパク・チャヌク作品らしく想像の上をいく展開だった…。

伝道師に差し出された豆腐を落とした意味が明らかになっていく展開が良かったし、ラストの真っ白なケーキに繋がるのもとても良い。ウォンモ殺害は冤罪なので豆腐を落としたけど、ジェニーを孤独に追いやった罪は認めケーキに顔を埋めた。
イ・ヨンエの芝居もすごくて、再会したペクの髪を切るシーンでの狂気じみた表情とか、ペクを埋めて遺族が土を踏み固めるシーンでの復讐を遂げた喜びと虚しさが感じられる表情とかが印象に残ってる。

ペクは子どもとのお遊戯からの食事中セックスと、初っ端から狂気じみてる。クムジャの夢の中で犬になってるシーン、チェ・ミンシクが「犬になる機会はそうないですから愉快です」と言っていて面白かった。
復讐を遂げる廃校でのシーンは、遺族の学級会議、復讐の順番待ち、復讐後の記念撮影とか印象に残るシーン多めだった。
他にもソン・ガンホ、シン・ハギュンという豪華な友情出演良かったし、序盤ストーリーテリングを担う刑務所の面々も個性的で良い(夫と浮気相手を焼肉にした「魔女」も相当やばい…笑)。