マイベストが「お嬢さん」なのでめちゃくちゃ楽しみにして観たけど、こちらも「ありがとうございます！！」という出来だった。
他作品なら、超えてはいけない一線として遺族による復讐や、そもそも遺族に子供の死に目を見せる行為、クムジャの責任などが丁寧に問われるんだろうけど、「うるせえ、んなこたどうでもいんだよ」とばかりに刃物を握らせるチャヌク...彼の作品における「超えてはいけない一線の超え方」が、私のツボにはとても合っているのだと感じる。
相変わらずチェミンシクおじさんは少ない出番で嫌悪感MAXまで引き上げてくれるし、チャヌク作品名物「すごいバカな男」、今回も最高でしたね。計画に参加するわけでもなく、クムジャを気遣えてるわけでもないのに、親子感動のラストに堂々映り込んで呑気に雪食ってんの何？？しょーもないのに、彼が映り込んでるおかげでなんとなく落ち着く。不謹慎ともいえるギャグテンポが、感情のケリの付け方が逸脱するしかなかった人たちの選択を温かな眼差しで肯定している気がする。
「オリエント急行殺人事件」の結末が大好きなのだけど、チャヌクもあれ好きなんだろうな...と思いました。
