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アイガー北壁のぉゅのレビュー・感想・評価

アイガー北壁(2008年製作の映画)
3.5
2020年 鑑賞
監督はフィリップ・シュテルツルさん。

1936年、ベルリンオリンピック直前のドイツが舞台。「殺人の壁」と恐れられているアイガー北壁。ナチスは国威発揚のため、3970メートルの北壁のドイツ人初登頂を望み、登頂を決意した山岳猟兵の2人の男性を描く。

成功者にはオリンピック金メダルの授与を約束する。ドイツ人で山岳猟兵のトニー・クルツ(ベンノ・フユルマンさん)とアンディ・ヒンターシュトイサー(フロリアン・ルーカスさん)は世間の盛り上がりに戸惑いながらも、新聞記者で、幼馴染のルイーゼ・フェルトナー(ヨハンナ・ヴォカレクさん)からの勧めもあり、北壁登頂の挑戦を決意するが...

男2人女1人の幼馴染って残酷になりがち(あだち先生のコミックにありがちな設定)... 今回もおそらくそうだと思う(脳内補完も入っている?)。クルツもアンディもルイーゼを想っているが、ルイーゼは... クルツに憧れている。それまでアイガー登頂を考えていなかったクルツとアンディだったのに、決意させたのはルイーゼの存在だ。ルイーゼが吸い始めた煙草は、(おそらく)クルツへ憧れ。クルツもルイーゼに、「ずっと待っていたのに...」というセリフ... そして...

なんだかんだで登るルートや天候を考えて登山を開始する。
しかし、クルツとアンディはアイゼンが無くなったことと、オーストリア隊の2人が、間隔を空けずに追ってしまったため、落石でケガをさせてしまい、自分たちに負い目を感じつつ登山を続けてしまったというのが失敗だった...
途中までは順調に行き、あと1日で登頂か?と思われたが... 天候の状態や、ケガをさせてしまったという思いが、色んな感情や決定を鈍らせてしまい、下山の時には、時すでに遅しの状況に... その時にあの人の最期の決意が... 個人的な見解や妄想も入っているが、あの人は、●●ー●の気持ちがわかっていたからこその決断だったのかと...

最後の「私は生きている実感がある。それは人を愛したから」のシーンが、とても染みた... バッドエンドから、少しまろやかにしてもらった...

ちなみにこれから病院で、気が乗らなかったが、この作品を観て、生命を守る決断は大事だとも感じたし、自分の気持ちや、周りの声ばかりに耳を傾けず、自分の生命が大事なんだとも感じた。

1142(20-276)
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